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トヨタに学ぶ001 – なぜなぜ分析

トヨタのカイゼン手法に,

「なぜを5回繰り返せ」と言うのがあります。

かの大野耐一氏の言葉だそうです。

これは非常に強力な手法です。

何か不具合があったとします。いったいなぜそんなことになったの?これを5回繰り返すだけです。たったそれだけ!

でも実際に考えてみると、大変です。白紙のメモに書いても、全然整理がつかない。頭が混乱するばかりです。

なぜなの? : Aだからです。

Aなのはなぜ? : Bだからです。

Bなのはなぜ? : Cだからです。

Cなのはなぜ? : Dだからです。

Dなのはなぜ? : Eだからです。

物事はこんなに直線的で単純な構造じゃない。

なぜなの? : Aだからです。

Aなのはなぜ? : BとCだからです。

Bなのはなぜ? : DとEだからです。

Cなのはなぜ? : FとGだからです。

Dなのはなぜ? : HとIとJだからです。

Eなのはなぜ? : KとMとLだからです。

根状に広がるだけじゃなく、同じ原因が、あちこちに関係していて縺れたり大変です。

そこで役にたつのが、「なぜなぜ分析表」です。

20100621203414

実に簡単な表ですがメッチャクチャ強力です。真剣にやれば問題が根こそぎ解決でします。

うちの会社では、重大事故にはなぜなぜ分析表の作成を義務づけています。

ほとんどの場合、数時間程度の検討では完了しません。

でも、これをこなしておくと様々な問題が全て浮き彫りにされ、他の問題発生を未然に防いでくれたりもします。

とにかく5回繰り返すことに意味があります。並の考えでは5回繰り返すことが出来ません。

あんまりやり過ぎると話が広がりすぎて収拾がつかなくなったりもします。

ちょっとやそっとでは、使いこなせないので、テキストが要ります。

1 

ほかに以下があります。

 

わたしの場合は、いきなり分析表に書かずにポストイットにアイデアの断片を書き、問題群ごとに束ねて整理してゆきます。

ポストイットなら色分けも出来て大変便利です。

ポストイットは、慣れると思考ツールとしてちょっと手放せなくなります。

自由に使えばいいわけですが、より詳しくは以下の書籍にあります。

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「国際政治の理論」ケネス・ウォルツ,「バロー マクロ経済学」ロバート・J. バロー

隠れるように、声を潜めるようにひっそりと棚の中に、置かれていました。
思わず声が出たよ。
待ち焦がれていた邦訳です。邦訳が進められているのは知っていましたが、
いっこうに出る気配がないので諦めてましたよ。・・・ほんと。
これほど世間を揺るがし、確固たる地位を確立した本の出版に30年近くをゆうするのは、
いったいどんな理由があるのか?モーゲンソーと言い、アロンと言い、ウォルツと言い。

わたしは、最近、書評を読まないので知りませんが、どこかで取り上げられたのでしょうか?

あまりにも、ひっそりとした出会いでした。

じっくり読んでから、紹介したいと思います。

こんな思いは、

以来です。

こいつも出ていました。所謂、市場均衡アプローチ、非ケインジアンアプローチによるマクロ経済学の教科書です。

旧版とは全く違うものになっており、非ケインジアンのマクロって何?という人には、有用だと思いますが、

何とも思わない人は、素直にマンキューやスティグリッツ、バーナンキをやった方が良いと思います。その後に学ぶべきでしょう。

本邦では、この手のアプローチの教科書が少ないので貴重なものです。

でも、ケインジアンの復活期なので時期が悪いかなぁ・・・・。

わたしも、学生時代は市場均衡アプローチ全盛、黄金期でしたのでその洗礼を受けていますが、

不況期の経済実態と理論の遊離感に悩み、理論的にはケインジアンシンパだけど、お上に対する人間観から実際の運営面では、市場均衡アプローチ支持を表明していました。

最近のケインジアン復興には、喜びたい反面、

本邦での市場均衡アプローチのシゴキを潜ってないお上の都合的古ケインジアンの言説は、ほとんど効力を持たないことを自覚して欲しいものです。

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これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル

戦後、日本で正面切って正義を語ることは、無くなってしまいました
その筋では、やれ、ロールズがどうのこうの・・・。
・・・ノージックがどうの。延々ひとの言葉を借りて繰り返すだけ。
日本人には、妙に馴染みにくい論争があったので、いくらでも繰り返せる。
でも、真剣に語ってるのは、正義の味方アメリカ人ばかりです。
ま、そのあたりは諦めるとして、
今、本当に、この人の話が聞きたいなと思ってたひと達のひとりマイケル・サンデルの議論がこれです。

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル Michael J. Sandel

商品の説明
内容紹介
『ハーバード白熱教室』NHK教育テレビにて放送中(2010年4月4日~6月20日、毎週日曜18:00~19:00、全12回)! ハーバード大学史上最多の履修生数をほこる超人気哲学講義、待望の書籍化!
推薦:宮台真司氏
1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? 金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? 前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか――。
つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。
アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。
宮台真司氏(本書オビ裏より)
1人殺すか5人殺すかを選ぶしかない状況に置かれた際、1人殺すのを選ぶことを正当化する立場が功利主義だ。これで話が済めば万事合理性(計算可能性)の内にあると見える。ところがどっこい、多くの人はそんな選択は許されないと現に感じる。なぜか。人が社会に埋め込まれた存在だからだ――サンデルの論理である。
彼によれば米国政治思想は「ジェファソニズム=共同体的自己決定主義=共和主義」と「ハミルトニズム=自己決定主義=自由主義」を振幅する。誤解されやすいが、米国リバタリアニズムは自由主義でなく共和主義の伝統に属する。分かりにくい理由は、共同体の空洞化ゆえに、共同体的自己決定を選ぶか否かが、自己決定に委ねられざるを得なくなっているからだ。
正義は自由主義の文脈で理解されがちだが、共和主義の文脈で理解し直さねばならない。理解のし直しには、たとえパターナル(上から目線)であれ、共同体回復に向かう方策が必要になる――それがコミュニタリアンたるサンデルの立場である。

この手の議論になじみのないひとにとっては、幸いなことに講義のレジメの様なものなので、
大変読みやすい。
これでも、まだちょっとという人のためには、NHKの番組をYoutubeにアップしてくれている人がいるので、
是非とも学生時代にかえって講義に参加してみてください。

番組のほうも放映中です。

4月4日 第1回 「殺人に正義はあるか」
Lecture 1 犠牲になる命を選べるか
Lecture 2 サバイバルのための殺人

4月11日 第2回 「命に値段をつけられるのか」
Lecture 3 ある企業のあやまち
Lecture 4 高級な「喜び」 低級な「喜び」

4月18日 第3回 「「富」は誰のもの?」
Lecture 5 課税に「正義」はあるか
Lecture 6 「私」を所有しているのは誰?

4月25日 第4回 「この土地は誰のもの?」
Lecture 7 土地略奪に正義はあるか
Lecture 8 社会に入る「同意」

5月2日 第5回 「お金で買えるもの 買えないもの」
Lecture 9 兵士は金で雇えるか
Lecture 10 母性売り出し中

5月9日 第6回 「動機と結果 どちらが大切?」
Lecture 11 自分の動機に注意
Lecture 12 道徳性の最高原理

5月16日 第7回 「嘘をつかない練習」
Lecture 13 「嘘」の教訓
Lecture 14 契約は契約だ

5月23日 第8回 「能力主義に正義はない?」
Lecture 15 勝者に課せられるもの
Lecture 16 私の報酬を決めるのは・・・

5月30日 第9回 「入学資格を議論する」
Lecture 17 私がなぜ不合格?
Lecture 18 最高のフルートは誰の手に

6月6日 第10回 「アリストテレスは死んでいない」
Lecture 19 ゴルフの目的は歩くこと?
Lecture 20 奴隷制に正義あり?

6月13日 Lecture 21 コミュニティの主張
Lecture 22 我々の忠誠心はどこにあるのか

6月20日 Lecture 23 同性結婚をディベートする
Lecture 24 善良な生活

内容は、正義や倫理を語る上で外せない諸流派の議論の基本を的確になぞり、
具体的な事例でその意味を学生達と考えてゆきます。

みんなのよく知ってる「最大多数の最大幸福」という誰もが否定できそうもない原理(功利主義)
の適用によって、あるときには倫理的に納得しようのない帰結が導き出されてしまうことがあります。
あちらの正義論の議論は、それとの対決です。
諸流派の切り口のバラツキは、こいつとの価値観・対決法の違いなんです。
キリスト教道徳の影響からか、忌み嫌っている人も多くいます。
でも、否定しても否定しても不死身のように生き返って来きてしまうんです「功利主義」は・・・。
日本でも、学会以外の場所で、地に足をつけた真剣な議論の芽が出かけています。
そういう議論を理解するための格好の基礎知識を得られる良い内容だと思います。
30年前の関西の大学では、色んな先生の講義を聴講して回りましたけど、
こんな素晴らしい講義におめにかかったことがないですね。
わたしは、このあたりの議論の周りを30年近くぐるぐる回っています。
意見の分かれ方は理解できたけど、どの意見に属したらいいのか未だに決めかねるほどの、
単純ではあるけれど、自らの生き方に関する根源的な倫理観の確立が要求される難しい議論です。

残念ながら正義論の原点、震源地は、

現在手に入らないし、もし、高価な古書が手に入っても、普通なら学生でも途中で投げ出しちゃうような難渋する内容・翻訳のものでした。

現在、

の著者川本氏が翻訳を進行中とのことなので、もし、原典に中りたいという奇特な人でも、
待ったほうがよいと思います。上記書籍も正義論入門にはちょうど良いでしょう。

30年くらい前にもこの手の番組がありました。

「不確実性の時代」と「選択の自由」と言う番組です。


ガルブレイスの『不確実性の時代』は、題名が示すとおり
内容もあたかも文学のような書名だけしか印象に残らない不確実なものでしたが、


ミルトン・フリードマンの『選択の自由』は、時流にも乗りその後の学会は言うに及ばず、
政治の新自由主義や、政策当局、民間金融機関のイデオロギーとなり、
先日、わたしたちが目の当たりにした破綻へと突き進んだのです。
そのフリードマンらの考え方は、現代の功利主義を代表するような考え方です。

フリードマンに関しては、経済学者の論説ではないけれど、
さすが、鬼のような読解力の「松岡正剛」の論評が大変面白いと思いました。

 
千夜千冊連環編 ミルトン・フリードマン 資本主義と自由

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爺っちゃん 再び、登場!

もはや歴史上の人物だから、若い人は知らないだろうから、ちょっとメモしておきましょう。

ちょっと前だけど、
人事を見たときには、マジで、腰を抜かしそうになったよ。・・ほんとマジで・・・・。( ̄□ ̄;)
これはみんなもよく覚えてると思うけど、
かって、「アラン・グリーンスパン」って銀行の元締めみたいな人が、
この世で一番影響力を持った時代があったんだ。
いまは、再び、「ポール・ボルカー」の時代だ。
実は、グリーンスパンの前の元締めで、グリーンスパンにバトンを渡した人だ。
ぼくが、大学に上がった頃は、ロナルド・レーガンってじっちゃんがアメリカの大統領だった。
元俳優だから、テレビ写りは優しい人って感じだけど、実は怖いひとだった。
実質的に、ソ連を降参させて、潰しちゃった人だ。
で、そのレーガンと一緒に、そのときの経済の問題を退治しちゃったのが、
この爺っちゃんってわけだ。
この爺っちゃんは、でかいだけじゃなかった。

ポール・ボルカー

彼の功罪に関しては、ちょっとやそっとでは、語る尽くせるものではない。
今は、デフレ!デフレ!って騒いでいるようだけど、その昔、もっと怖い状況があったんだ。
それは、「スタグフレーション」というんだけど、これが経済学の争点の中心にあった。

スタグフレーション(stagflation)とは経済現象の一つである。stagnation(停滞)、inflation(インフレーション)の合成語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指す。

要するに、不景気で失業率がどんどん上がるのに、
そういう状態になると普通は下がる物価が、どんどん上がっちゃうって、
経済学では常識外れの最低の状態が、先進国で発生していたんだ。
背景に、オイルショックという特殊な事情があったんだけど、ほんと最低だった。
で、誰も、見通しを立てられなかった。
すーっと知らぬ間に登場して、人の迷惑顧みず、さっさとそれを退治したのが、
ボルガーって爺っちゃんだと言うことになってる。

カーター政権の経済政策の失敗は、イラン革命に端を発した第二次オイルショックによって極まっていた。79年からFRB議長職にあったボルカーは、深刻な財政赤字とインフレ、高失業率にあえぎ、スタグフレーションにあった米国経済の局面打開を図るべく、レーガン政権下においてレーガノミックスを主導する。
ケインズ嫌いで知られていたボルカーは、カーター政権までの経済政策を批判し、インフレ抑制を最優先課題とした貨幣供給量を引き締める高金利政策を実施した。今日のいわゆるマネーサプライ政策は、それまで5%台だった短期金利を20%まで跳ね上げ、米国民の銀行預金は一気に高利回りの投資信託などへとなだれ込むこととなった。金融界にもたらされた高金利のショック(長短金利の逆転)は、中小金融機関の多くを倒産に追い込んだが、高いインフレ率は見事に収まりを見せ、結果的に米国経済の景気拡大を継続させる基盤を整えた。
他の経済学者がスタグフレーションの解決策を理論的に提示できなかったこととも相まって、ボルカーは「20世紀最高のFRB議長」とも評価されている。


ま、事実そうなんだ。
今回の不動産バブルに端を発する金融危機の始末に、オバマは、爺ちゃん呼んできたって訳だ。
で今やってることがこれ。

Obama’s ‘Volcker Rule’ shifts power away from Geithner

ようするに、不動産バブルを作って弾けさせて、
自分達だけは、法外な利益を下々から巻き上げた張本人達に
睨みをきかして、ほんでもって規制して、その道具を取り上げちゃおうって訳だ。
もっともな話で、金融関係者以外、誰が聞いても納得の政策だね。
ここんとこで訳がわかんなくなっちゃうんだ。
元々、ボルカーってひとは金融業界代表みたいな人なんだけど、
これやっちゃうと、もっかいアメリカの金融業界はメチャクチャになるのは間違いない。
だって、お金をカルメラ焼きにして膨らますしか、
彼らの立ち直る手段は今のところないからね。確実に崩壊する。
オバマのアメリカ版「人気取り」事業仕分けだって理由があるにしても、
実害が、破格だ。
・・・・・世の中、解らんことが多すぎ・・・・どうなってんだ。 。゚(T^T)゚。
P.S.
実は、この爺っちゃんバブルに踊ってえばってた日本の銀行をやっつけるために、
BIS規制って仕組みを作ったことのある怖い人でもあるんだ。
実は、そのBIS規制って仕組みが、今回のアメリカの金融危機の中でも、
大きな役割をしてるんだ。
要するに、規制すると、必ず、解らないように抜け道作る人がいるってことだね。
もし、このあたりのことがもう少し深く知りたかったら、

愚者の黄金
愚者の黄金 ジリアン テット

が、読み物、物語としては、とっても面白いと思います。
これから、このポール・ボルカーって爺っちゃんが、頻繁に世の中を騒がすことになると思います。
みんなも、よくよく注目しててね。
ぼくの今回の騒動の感想の要点は、
1. 日本は、けじめをつけないって扱き下ろされたけど、実際起こってみると、
アメリカでも一緒だった。
故意にせよどうにせよ今回の異常な富の移転にたいして、しっかりケジメをつけて、
何らかの解消をさせることができたら、改革も本物だろうと思う。
2. 一番根っこの問題は、金融の利益追求のスピードだと思うね。
ビジネスの実態とあまりにもかけ離れている。尋常じゃない。
みんないつも全力疾走でも追いつけない。
アメリカ人というのは、いつの間に、あんなにせっかちになったんだろう?思い当たる節がない。
で、これって、本当にみんなの幸せのためになるんだろうか?
みんな落ち着いて、よく考えてみないといけない。

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トヨタ式 力イゼンの会計学

 

  • トヨタ式 カイゼンの会計学 田中 正知著
  • 単行本(ソフトカバー): 287ページ
  • 出版社: 中経出版 (2009/4/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4806132853
  • ISBN-13: 978-4806132851
  • 発売日: 2009/4/17

従来の会計の考え方に時間軸評価を加えるという内容です。

著者が言うように時間軸導入が全くの初出の内容かというと管理会計の分野ではすでに実績のある内容です。しかし、その管理会計も一般的に認識されている制度会計からは、かなり逸脱した内容ですから、制度会計いっぺん道、この道一筋で来た経理マンには、目から鱗の内容かもしれません。

最近の会計学に目を通していない経営者の方々、経理マン、全管理職必須の会計知識だと思います。内容は懇切丁寧で、高校生でも読めるように書かれています。

トヨタ式 力イゼンの会計学 もくじ

はじめに

第1章 ほんとうの「儲け」とは何か?

●私たちの『儲けの評価』は正しいのか

●「馬」と「豚」、どちらが儲かるのか 25

●『時間』の概念を入れて、評価する 34

●『時間』と『資金』の概念を入れて、評価する

●6つの評価法のまとめ 42

第2章 「お金」と「時間」はこうして考える

●「時間の経過」=「儲け」の能力を「ムダに寝かせている」

●「もの」の存在自体にもお金がかかっている 48

●「1カ月後の120円」と「10年後の200円」 53

●「利益率」と「収益性」の違いを考える 57

●「利益率」だけで「儲け」を考えていませんか 60

●「スーパー」と「コンビニ」の販売戦略の大きな違い

第3章 1万円の在庫を1日寝かせるといくら損をするのか

●在庫は常に「数量」と「金額」だけで管理されている 68

●「1万円の在庫が、1日でいくら稼ぐのか?」から考える 70

●「たな卸資産が稼ぐ」という発想 74

第4章 「本流トヨタ方式」から進化した『Jコスト論』

●『Jコスト論』を生み出した「本流トヨタ方式」とは何か? 80

●「本流トヨタ方式」で考える「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」

●「在庫低減」の真の効果 87

●「リードタイム短縮」の真の方法 88

●「本流トヨタ方式」による現場改善の実態 91

●なぜ、「トヨタ生産方式」の導入がうまくいかないのか

●やみくもな「原価低減」がもたらすこと 96

●Q(品質)を確保し、D(納期)を追求すれば、C(収益)は後からついてくる 98

●ジャスト・イン・タイム改善をきちんと評価する会計理論がほしい 10

●「利回り」をベースに評価法を考える 04

●壁を崩すための「新理論=Jコスト論」ができた 川

●各単位系を明確化する 17

第5章 中ロット生産が儲かる「ほんとうの理由」

●「大ロットのほうが生産コストは安い」と誰もが思っている

●小ロットと大ロット、2つのパターンを比較してみる 22

●「時間」の概念を加味して考える 27

●ポイントは「利回り」=「収益性」にある 30

●最大在庫金額を検証する 34

●段取り替え費用そのものを減らす、という発想 128

●見かけの「利益」ではなく、ほんとうの「儲け」=「収益性」を

第6章 並行生産と集中生産はどちらが簿なのか?

●なぜ「いつでも、どこでも」道路工事をしているのか7 44

●やり方次第でJコストが5倍も違う 棚

●「利益率」は同じでも、「収益性」は3倍近い開きがある 55

●ひとつひとつ、確実に完成させよ! 158

第7章 「高価な航空便」と「安価な船便」は、どちらが得なのか?

●スピードには「価値」がある

●「安さ至上主義」による弊害

●時間をかけてでも、輸送費は減らすべき?

●「中身」を吟味して、「速さ」は決める

●物流によって、どれくらい収益性が落ちるのかを判断基準にする

●リードタイム比の影響

●倉庫の中に寝かせておいても、劣化する

●運賃を上げれば、収益性は上がる

●物流コストを下げるための企業の工夫

第8章 中国工場で生産するのは、本当に得なのか?

●「利益率」では中国での生産が儲かる 9。

●時間概念を加えると、中国生産が「儲かる」とはいえない

●国内か海外か、「明確な基準」があれば迷うことはない

●「ものを動かすと発生するリスク」を忘れてはいけません

●ムダに「ものを動かして」いませんか7 207

第9章 なぜ、在庫は増えるのか?部分最適をやめて、全体最適へ

●なぜ、在庫は増えるのか7 212

●部門ごとの「ムダとり」が、悪さの大きな原因 214

●従来の会計理論は、在庫を抱える=「損失」ではない

●「不足してはいけない」という意識が強い 22

●不要になったら、「減らす勇気」を持つ229

●かんばん方式が有効なワケ 233

●なぜ、「収益性」で考えることが重要なのか7235

第10章 『Jコスト論』は、こうして導入・実践する

●『Jコスト論』を、あなたの職場に導入する方法 238

●銘柄別に『Jコスト図』を描く 241

●「投入資金量」という考え方 24〝

●銘柄別に「収益性評価」を行なう 用

●企業全体の収益力を総合評価する「収益性分析図」 25。

●「収益性劣化図」の活用 257

●「Jコスト論的発想」により成功しているビジネスモデル

●全体最適≠部分最適の総和 27。

・「Jコスト論的部分最適」が会社全体を変える 274

●明日の成功のために 27

おわりに

第1章 ほんとうの「儲け」とは何か?

●「『原価改善せよ!』というけれど、現場は何をどう改善したらよいのか」

●「在庫低減を提案したら『いくら儲かるのか』と聞かれ、説明に困った」

●「生産革新の名のもと、工場が見違えるほど改善を進めた。しかし掛けた費用に見合うコストダウンが見えてこない」

●「さまざまな改善をして、個々の数字としては儲かっているのに、なぜか資金繰りはきついままだし、全体の利益が上がらない」等々。

日夜改善に邁進している、さまざまの立場の方たちからこのような「トヨタ生産方式改善の会計的評価」に関する悩みをお聞きしています。

私自身も、トヨタ自動車の「製造部門」にいたときに、諸先輩からは、『生産現場に原価低減(C)を押しっけるのは滅びの道である。トヨタ生産方式の現場改善というのは、自働化で品質確保(Q)をした上で、リードタイム短縮(D)に徹することにある。そうすれば収益性(C)は後からついてくる』と教えられ、そのように取り組み、成果を上げてきました。

私の目では大きな成果に見える改善を、会計に明るい人たちは理解できず、「リードタイムを短縮すれば、なぜ儲かるのか」と怪訝な顔で開いてきます。それに答える理論体系はありません。冒頭にある悩みは、かっての私自身の悩みでもありました。

悩み抜いた末、私が到達したのが、本書のテーマ『Jコスト論』なのです。

本書を読み終えると、『Jコスト論』をご理解いただけると思いますが、まずは、会計学の抱えている問題点を説明します。

私たちの『儲けの評価』は正しいのか

「評価してみたが、結果が思わしくない」とき、あなたはどう考えますか。

①「評価方法が適切でない」

②「改善そのものが適切でない」

実は、①と②が入り交じっているのです。

改善を進めるためにどうすればよいかはよく考えますが、それを評価する肝心の物差しについては、最初から正しいと思い込んで、誰も疑っていないのです。

まず『Jコスト論』理解の前準備として、当然知っているつもりの『儲けの評価』を皆さんとともに再吟味してみましょう。

今からお話する内容は、東京大学の『ものづくり寄席』において掛けた外題をアレンジしたものです。「馬と豚、どちらが商売になるのか」という事案を考えるとき、評価方法を変えただけで、『儲けの度合い』が劇的に逆転してしま、γという恐ろしいお話です。寄席のお話ですので、深刻にならずにお開きください。

「馬」と「豚」、どちらが儲かるのか

『とんま』という言葉があります。大辞林によれば「とんちき」と「のろま」を足して、余分な部分を端折ってできたという、ウソのような説明が載っています。

漢字では「頓馬」という難しい字を使っています。

ここでは「豚馬」と書くことにして、「豚」と「馬」、それぞれを育てて売った場合に、どちらが儲かるかを吟味していきたいと思います。全部で6つの評価方法を試しています。評価方法によって、結果が変わってくるという摩討不思議なことが起こります(注・ここで使っている数億はすべて架空のものです)。

【設問】ある飼育業者が、「馬」を飼育すべきか「豚」を飼育すべきか悩んでいました。

「馬」は子馬の仕入れ億が5万円、飼育代が月に3千円、2年間飼育して25万円で売れるとします。

「豚」は子豚の仕入れ値が1万円、飼育代が月に1千円、1年間飼育して4万円で売れるとします。

【解答】まず、各々に掛かった総コストを計算します。

「馬」の総コスト=5万円+3千円×24カ月=12.2万円

「豚」の総コスト=1万円+1千円×12カ月=2.2万円

ここから先は、6つの評価法を試します。それぞれをご説明します。

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【評価法1】単純に租利で比較

単純に租利で比較するには、「租利=売値1線原価」で計算できますから、前述の数値を使えば、

「馬」の租利=25万円-12.2万円=12.8万円

「豚」の租利=4万円-12.2万円=1.8万円

《結論1》「馬」が有利となります。

評価法1では「馬」を飼育したほうが11万円も儲かることになります。しかし、その前にかかった金額、すなわち仕入れ値の違いがあります。これを無視しているので、この結論で意思決定するのは誤りだと誰でも思うでしょう。そこで次ページでは仕入れ値の違いを配慮した評価方法を考えてみましょう。

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【評価法2】仕入れ値の違いを配慮

仕入れ値の違いを配慮して比較するには、「仕入れ値あたりの親利を比較」すればよいことになります。つまり、かけた金額に対して、どのくらいの割合の利益があったか、これを計算してみるわけです。

それぞれの仕入れ億租利率=粗利÷仕入れ値を計算しますと、

「馬」の仕入れ値粗利率=12.8万円÷5万円=256%

「豚」の仕入れ億租利率=1.8万円÷l万円=180%

《結論2》「馬」が有利となります。

「馬」の租利は仕入れ億の2・56倍です。「豚」より140%も有利となります。評価法2でも「馬」を飼育した方が、ずっと儲かります。「いくらの元手で、どれだけ儲けたか?」というのは、商売において非常に重要なポイントで、中小企業の社長、あるいは商店主たちは、「今日仕入れたものが、いくら稼ぐか」を常に気にしています。その稼ぎによって「明日はいくら仕入れるか」という身の丈に合った経営を頭に描いています。ところが、一般には、「売値に対して、どのくらいの租利があるか?」を重視する傾向にあります。ということで 「売上高利益率」を比較してみます。

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【評価法3】売値の違いを配慮

売上高利益率で比較するため、それぞれの租利÷売値を計算しますと、

「馬」の売上高利益率1-12.8万円÷25万円=51%

「豚」の売上高利益率=1.8万円÷4万円=45%

《結論3》「馬」が有利となります。

評価法3では「馬」が売上高利益率では0・51と依然優位です。しかし、「豚」との差は1.1倍に近づいてきました。 実際には大多数の職場で、この「評価法3」で意思決定がされています。そのため、「たくさん売れば、仕入れ値段も安くなり、二重に儲けられる」「とにかく利益率の高い商品」を重点的に売れという方向に陥りやすいのです。

本当にこの計算のように、利益率が高い「馬」の飼育案を採用して大丈夫なのでしょうか?

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実はここに、飼育期間という仕入れから売れるまでの期間の違いがあります。今までの評価法はこれを無視していたのです。「馬」の飼育は2年がかりの話で、「豚」の飼育は1年で済む話だったのです。「馬」1頭を飼育し終わるまでに、「豚」は2匹できるのです。この「時間」の違いという要素を入れて評価する必要があるはずです。次ページからは、いよいよ「時間」の概念が登場します。

『時間』の概念を入れて、評価する

【評価法4】飼育期間の違いを配慮(1)

ここではわかりやすいように、仕入れ価格を縦軸、飼育期間を横軸にして、お金を使っている状態を表す図をつくってみました。

次ページの図を見て下さい。図の中の「馬」の長方形の『面積』の中に、「豚」の長方形の『面積』が時間の方向2個、金額方向に5個、並べることができます。全部で10個ピッタリ並べることができるので、この図から「馬」1頭と「豚」10匹とを同格として、租利を比べるのが公平なやり方だと分かります。

「馬」…12.8万円×1回=12.8万円

「豚」…1.8万円×10回=18.0万円

《結論4》「豚」が、5.2万円有利となります。

今までとは反対になり、なんと「豚」 のほうが5.2万円も多くの粗利をたたき出しました。『面積』を勘案することで、全く異なった評価になります。今の例では、「馬」の『面積』に中に「豚」の『面積』がピッタリはまったから簡単に答えを出せましたが、「馬」と「豚」の『面積』がピッタリならない時にはどう考えたらよいのでしょうか。それは次ページでわかります。

clip_image010

【評価法5】飼育期間の違いを配慮(2)

評価法4では、『面積』を同じにして粗利を比較しましたが、これは〔租利÷『面積』〕を使って評価したことを意味しています。このように定義すれば

「馬」租利÷『面積』=12.8万円÷(5万円×24カ月)=0.11/月

「豚」租利÷『面積』=-1.8万円÷(1万円×12カ月)=0.15/月

《結論5》 「馬」0.11/月=1.32/年

「豚」0.15/月=1.80/年 →「豚」のほうが有利

評価法5でも評価法4と同じく「豚」のほうが有利となりました。この事例から〔租利÷『面積』〕を使えば、『面積』の形を問わずに比較できるということもわかりました。これを「馬」を飼育する代わりに、5万円で投資ファンドを買い、2年後に25万円で売れたとして、その利回りを計算しますと、

利回り=租利÷(投資額×期間)

=(25万円15万円)÷(5万円×24カ月)

=租利÷『面積』となって、評価法5と同じ計算式になります。

この場合、『面積』は投入資金量に相当し、今後いろいろな場面で出てきます。そこで、この『面積』のことを「Jコスト」と名づけます。『面積』=「金額」×「時間」=『Jコスト』。このように定義すれば、利回りとか営業上の儲けとかを問わず任意の形の『面積』も計算することができます。(Jコストの詳しい説明については第4章を参照)

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『時間』と『資金』の概念を入れて、評価する

ところで評価法5の例は、定期預金タイプでしたが、実際は月々の飼育代がでていきます。毎月の飼育代は、租利を計算するときの原価としてのみ計算されていましたが、月々の支払いという形が評価されていません。これはどう考えたらよいのでしょうか。

月々一定額の飼育代を使って飼育している状態というのは、積み立て預金とよく似ています。「頭金」を子馬の代金、「月々の積立金」を飼育代、「満期までの積み立てた全額」が総原価、「利息」が租利と見なせば完全に一致します。それゆえ、「積立預金モデル」で計算すればよいことがわかります。

さて、このとき分母となる「金額」×「時間」から計算される『面積』はどうなるのでしょうか。

先ほどは一定額で維持する場合を考えていたので、『長方形』になりましたが、今度はその上に、月々投入した飼育代が累積していく三角形が載った形になります。「馬」でいえば、最初が子馬代だけの長方形、最後が総原価の台形になります。

このことを配慮して、「積立預金モデル」で計算してみましょう。

【評価法6】月々の飼育代も配慮

まず41ページの図を見てください。図では、台形の面積を直接計算しておりますが、ここではわかりやすくするために、三角形と長方形で分けて考えます。

「馬」の飼育代の『面積』

=(3千円×24カ月)×24カ月÷2=輿4万円・月

「豚」の飼育代の『面積』

=(1千円×12カ月)×12カ月÷2=7.2万円・月

次に、「仕入れ債」×「時間」からなる長方形の『面積』を求めます。

「馬」の長方形の『面積』=5万円×24カ月=120万円・月

「豚」の長方形の『面積』=1万円×12カ月=12万円・月

最後に、三角形と長方形を足した台形の『面積』あたりの『儲けの評価』は、

「馬」の『儲けの評価』=租利÷台形の『面積』=12.8万円÷(86.4+120)万円・月

=0.062/月

「豚」の『儲けの評価』=租利÷台形の『面積』=1.8万円÷(7.2+12)万円・月=0.094/月

《結論6》「豚」のほうが儲かる。しかも「馬」よりも約5割増しで儲けられる。

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この評価法6こそが、時間軸を入れて評価する『Jコスト論』の考え方なのです。もう一度、最初からこの設問の答えとしての6つの評価法を見直してみましょう。

6つの評価法のまとめ

次ページの図に、今までやってきた6つの評価法を一覧表にまとめてあります。皆さんは今まで計算してきた6つの評価法を比べて、あらためて、その数字の開きの大きさに、ビックリされたことでしょう。

この図をよく見て下さい。会社で儲けを評価する場合、ほとんどの人たちは、3番目の「売上高利益率」を使っています。

次に多いのは、2番目の「原価利益率」です。

しかし、どちらも『利益率』なので時間の要素が入っていません。

clip_image016

一方、6番目の『Jコスト論』 は『収益性(利回り)』で評価しています。この章で、でてきた『面積』こそがすべての「投入資金量」を表すものなのです。

先に述べたように、これに「Jコスト」という名前をつけました。

次の章からは、この「Jコスト」という名称でお話を進めていきます。

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儲かる会社に変える貧乏人の発想、金持ちの行動 大谷將夫著 03

先のページにコメントを頂いているのですが、たどりにくいのでここに再掲させてもらいます。

田中康雄 09-06-23 (火) 21:48

再び失礼します。
本当に偶然から始まったことですが、長崎運送さんのご協力の下に、本日、超多忙の大谷社長に60分ものお時間を取っていただき、「わくわくラジオ」と「も~かるテレビ」の取材をさせていただきました。

本からのイメージ以上にバイタリティ溢れる大谷社長。
ラジオ放送は7月3日(金)昼12時から60分間… 喋りっぱなしです。
http://www.nagasakifm.net
放送当日はインターネットでも同時放送します。

収録の最初の6分間は以下で見れます。
是非、大谷哲学をご一緒にお聴きください。
http://www.youtube.com/mouketane

だそうです。生の大谷社長の話を聞きたい方は、リンク先をどうぞごらんになってください。

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儲かる会社に変える貧乏人の発想、金持ちの行動 大谷將夫著 02

2009 年 6 月 12 日 池上 富士夫 コメント 4 件

幸いにも、わたしは、大谷社長がタカラ物流システム株式会社の前身のタカラ貨物にいらっしゃった時から存じ上げています。

いらっしゃった当時、タカラ貨物という会社は、いかにも大手企業の子会社という感じで、全てにおいて余裕を感じさせるような会社でした。

大谷社長がおいでになられてから、みるみる全く別の会社に変わってゆきました。

関東にもあった赤字物流兄弟会社を吸収。倍増黒字化。

親会社の物流取引を全て統合し売上倍増。

親会社の負担になってた厚生事業などの引き受け黒字化。

トヨタ式改善活動の導入。・・・後に親会社でも導入。

西日本に点在していた委託物流拠点を自社拠点に統合。

この本の主題である長崎運送の買収により、親会社の売上比率を半分に。

これをたった十年で、それも九期連続黒字で実現されました。

その間の社長の忙しさたるや尋常ではありませんでした。特に長崎運送を買収されてからは、長崎を中心としながら、一週間おきくらいに全国を飛び回っておられました。おまけに休みはほとんどゴルフ。社内のソフトボール大会は四番サード。定年過ぎた年齢でですよ!

これじゃ四十代の役員さんやわたしなんかは口が裂けても「疲れた。。。(;_;)」なんて言えない。(>_<;)…..初期の大改革時は、現場の管理者も社員さんも、出入りの我々もそりゃ大変だった。みんながそれを乗り越えられたのは上の写真のあの笑顔で、「おお!ご苦労!」なんて言われると苦労なんか吹っ飛ぶんですよ。・・・・ほんとに。・・・・・怒られるときは、身も蓋もないくらいコテンパンで、穴があったら入りたいって、心底ほんとに思うくらいですけどね。

こう書くとそれ行けドンドン!拡大一本槍の人かと思われると思いますが、そうではない。タイヤの使用法から燃費の問題、昼休みの運用方法など、現場に落ちていても誰も気づかないようなことを丹念に拾い上げ、誰もが驚くほどの成果をあげられる。まるで手品を見ているようでした。これが書名にもある『貧乏人の発想』です。

折に触れて、様々なご指導を頂戴し、わたしは親父から教わったことより、遙かに多くのことを大谷社長から教わりました。

楽しい本なので、あちこちから引きたいんですが、解りやすく楽しいエピソードを少しだけ。

現場に黄金が落ちている
相撲の世界では「土俵にカネが埋まっている」というが、会社では現場に埋まっている。ちょっとしたヒントがきっかけでその大金が掘りだせることもある。まさに現場は黄金の山だ。
タカラ物流システムで原価見直しに取り組んだときのことだ。タイヤメーカーの営業担当者を呼び、タイヤ代をもう少し安くできないかと交渉した。
当社で使用する大型トラックには一二本のタイヤがついている。タイヤ一本の価格は三万円から三万一五〇〇円。値下げを頼んだところ、一本あたり一〇〇〇円前後がやっとだった。それでもあきらめずにメーカー担当者と交渉をしていたら、思いがけないことを言われた。
「大谷社長、購入価格を下げることも大切でしょうが、タイヤを長持ちさせる方法もひとつ考えてみてください」
「タイヤを長持ちさせる……どういうことや?」
「たとえば、買い替えのタイミングです。運送会社さんではタイヤの取り替え時期がまちまちということがよくあります。まだ使えるタイヤなのに廃棄してしまうのはもったいないですよ。それから、空気圧を適正に保つ、ローテーションをこまめにやるという基本の徹底も大切です。これだけでもタイヤの寿命が意外なほど延びますよ」
5トンもの荷物を載せて走るトラックは、タイヤの空気圧が少しでも下がれば磨耗のスピードも速くなる。また、タイヤの位置によって内側と外側の磨。減り方がずいぶんと違う。乗用車でも空気圧のチェックやタイヤローテーションはやるが、大型トラックはその効果が比べものにならないほど大きいというのだ。
「はう、そんなことでタイヤは長持ちするんか。ええこと問いたわ。ちょっと検討してみる」
さっそく整備課長を呼んで、タイヤ交換について詳しく尋ねてみた。
「トラックのタイヤはどういうときに買い換えてる?」
「乗務負が交換してくれと言ってきたときですね」
「つまり、乗質の判断に任せているわけだ。早く交換するのもいれば、ギリギリまで乗るのもいるやろ。磨。減ったタイヤで無理して運転すれば安全対策にもかかわる。どれくらいがいいと思う?」
整備課長はしばらく考えてから、言った。
「そうですねえ、溝の深さが三.四、、ミリとか三.三ミリとかになると限界でしょうか」
「おいおい、三.四ミリと三.三ミリのどっちやねん?」
「じゃあ、三.四ミリで。安全面に問題はありませんから」
「わかった。そんなら、三.四ミリに決めた。今日からそれがうちの規定や。空気圧もしっかりチェックさせとけよ」
「はい、ではそうします」
「タイヤのローテーションはどうしてる?」
「それも乗務員に任せています」
「何でも乗務員任せやなぁ。タイヤメーカーの担当者は、二万キロごとにローテーションすると長持ちすると言ってたぞ」
「二万キロとはずいぶん早いですね。ローテーション代もかかりますから、ちょっと計算してみます」
タイヤのローテーション代は一本につき二五〇〇円ほどだと言う。一台のトラックなら一二本で一万八〇〇〇円になる。このコストがもったいないからと、こまめにローテーションすることを避けている運送会社もあるらしい。
タイヤメーカーの担当者が言うことは本当だろうかと、実際に当社のトラックで試してみることにした。
一台のトラックは年間にだいたい二〇万キロから一五万キロは走る。それだけ走れば、通常は溝が磨。減ってタイヤ交換の時期となる。言われたと晋に、空気圧を適正に保ち、二万キロごとにローテーションしてみた。すると、タイヤの溝が規定の三・四ミリになるまでに二年以上かかった。タイヤ寿命が二倍以上に延びたのである。
仮に三〇台の大型トラックで計算すると、従来は年間九〇〇万円近くをタイヤ代にかけていた。それが、タイヤ寿命が二倍に延びたことで、ローテーション代を差し引いても年間七〇〇万円近くのコストダウンになる。利益で七〇〇万円を稼ごうと思えば、たいへんな営業努力がいる。タイヤメーカーから聞いたちょっとしたヒントで、意外なほど改善効果があったことになる。
「すごいもんやなあ。二万キロごとのローテーションでこんなに経費が浮くんか」
報告にきた整備課長も二緒になって「すごいもんですねぇ」と感心していた。現場にカネが埋まっているとはこういうことだ。目のつけどころによっては、大した努力をすることなく、数百万、数千万円の経費削減ができるのだ。

メーカーもほしがる乗務員たちの実験データ

現場の意見を吸い上げるしくみづくりも重要だ。
タカラ物流システムでは四年ほど前から、乗務員たちが小集団活動に取り組んでいる。乗務員の班は、関西に六グループ、関東に三グループあって、それぞれ六、七人でひつの班になっている。その職場グループごとに年間テーマを決め、実地研究を進めながら毎月の成果を記録しているのだ。
一年間の成果は、毎年三月の「安全晶質環境大会」で全社員にむけて発表される。全九グループが発表し、最優秀賞、優秀賞を決める。いまは長崎運送の乗務員たちも参加し、テレビ会議を通じて二社の全社員たちが発表を聞くようになっている。
この発表は私も毎回、楽しみにしている。
タイヤローテーションの実験も、この小集団括動で大きな成果をあげた。あるグループの実験では、それまで一〇万キロから二五万キロで買い換えていたタイヤが、ローテーションと走り方によっては最大三四万キロまで寿命を延ばせると発表した。タイヤメーカーからそのデータを譲ってはしいと打診されたほどである。
〇九年三月の発表でも、たいへん興味深い研究成果が出た。エコ・タイヤによる燃費効果を実証してみせたのである。
ェコ・タイヤは燃費向上を特徴にしているが、メーカーは従来のタイヤに比べておよそ三・五パーセントの向上があると謳っている。ところが業界内では、磨耗が早くてコストアップになるという評価があって、導入を控えている物流会社もある。この評価は本当だろうかという話で現場は盛り上がったらしい。
ぁる乗務員のグループが、このエコ・タイヤを研究テーマに選んで実験してみた。
二台のトラックに、二万は従来のタイヤ、もう二万にエコ・タイヤを履かせて通常業務の運行で走らせた。数力月ごとに二台のタイヤを丸ごと交換する。何度かそれを繰り返すことで、走行技術の違いによる誤差を防ぐという考え方だった。
実験が終わってみると、エコ・タイヤは従来のタイヤより五.五パーセントの燃費向上が認められた。メーカー発表よりも二パーセントも高い。
大型トラックが三〇台あれば、年間でざっと一〇〇万リットル前後の燃料を消費する。
一リットルの燃料代が一〇〇円としても、五.五パーセントの向上で五五〇万円もの燃料代が浮くことになる。エコタイヤが少し型高だとしても、これはたいへんな改善額である。
このグループの研究報告を受けて、タカラ物流システムでは〇九年四月から全車でエコ・タイヤ導入を決めた。このデータもタイヤメーカーから譲ってほしいと打診を受けている。
現場の乗務員たちが研究し、安全対策やコストダウンに役立つデータを導きだした例はほかにもたくさんある。自分たちのアイデアが、目に見える成果に結びつくとわかってから、彼らもおもしろがって取り組むようになった。誰もがやる気に満ちているといった様子だ。
現場に埋まっている黄金のありかは、現場の社員たちが二苔よく知っている。経営者や管理者が注意深く目を向ければ、いくらでも掘りだせるものだ。

物流に携わる全ての人に読んでいただきたい宝物です。

この本を頂いたとき、「同業者なんかで派手なことをするとか”とやかく”言う人が出るのは承知の上、これは世話になった人全員に対する俺の遺言のつもりで書いた」とおっしゃってました。

わたしにとっては、日蓮上人の遺文、坂井三郎氏の著書と並ぶ、人生の書となりました。

同書の中には、大谷社長の珠玉の名言が沢山ありますので、しばらく、『大谷将夫語録』として引いてゆきたいと思います。

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JMMの薦め

みなさんは、すでに、各種メーリングリストなど独自の情報源をお持ちだと思いますが、

私が、特にお薦めしたいのは、ジャパン・メール・メディア (JMM) です。

村上龍氏の運営するメーリングリストのですが、各執筆者は非常に洗練されており、

常識的です。

一般の商業メディアのようにスパンサーに遠慮する必要がないからですかね。

村上氏の編集センスには脱帽です。

特にお薦めは、書籍にもなりましたが、

from 911/USAレポート / 冷泉 彰彦

この人は、無意味で扇情的な報道が多い中、

激動の時代を、怖しいほど、常に冷静、沈着、

時代に流されず、的確にその場の空気を伝えてくれました。

わたしは、様々な出来事について考えるとき、

冷泉氏ならどう考えるんだろう?と自分に問いかけることが多くなりました。

大変大きな影響を受けました。

村上龍が聞く金融経済のスペシャリストからの回答

です。

最近バックナンバーも拾いやすくなっていますので、全部ダウンロードして読む価値があります。

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危機突破の経済学 ポール・クルーグマン PHP研究所

でました、PHPから。

別にそれでって事じゃないと思いますけど。

クルーグマンのノーベル賞決定のとき、東京の担当の人とも話をしてたんですけどね。

「今回の受賞は、どうも政治的意図が先行していると思われても仕方がないと思うけど、

PHPとしても、一冊くらい絶対抑えておきたいよね。」・・・ってね。

現在の経済状況に関するアメリカのメインストリームの考え方を知るには、もってこいの必読書です。

彼の今までの診断と処方のレジュメって感じで、大変解りやすくまとめられています。

ネオ・ニューディーラーの面目躍如って感じになってきましたね。

でも、彼が、ここまで、財政政策をプッシュするようになってくるとは思わなかったですが、

これでやっと、普通の世の中がやってくるんだなって感じるのは、1960年代生まれの人までなのでしょうか?

1970年代以降生まれの人たちは、どう思うってるんだろう?常識に反するって感じるんでしょうか?逆に新鮮なのかな?

 

<追記> 要約は田中秀臣氏のブログにありました。</追記>

 

わたしは、ネオリベとリベラルの差は、人間観(運用主体・運用方法論)にあるのでその部分の神学論争をいくらしても、ムダだと思う。

現象の本質的な点だけに的を絞り、具体策の議論を進める中でしか歩み寄りはないでしょう。

どうも議論がいきなり、人間観(運用主体・運用方法論)の部分でぶつかって、前に進まない話ばっかりで、正直あきあきします。

先生方も、飽きないんですかね・・・・・・?

今回のアメリカのように180°ひっくり返るようじゃ。下々は大変だ。

 

この流れで、もっと詳しく知りたい人は、所謂、「リフレ派」の、

が、良いでしょう。

http://f-ikegami.cocolog-nifty.com/reisiki/2009/06/voice-select-ph.html

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儲かる会社に変える 「貧乏人の発想、金持ちの行動」  大谷將夫著

得意先のいつも懇意にご指導いただいている社長の本が出ます。

いつも暖かい激励というか・・・叱られてばかりいます。

昨日、お会いしたときに一冊署名入りで頂戴したのですが、しっかりご指導も頂戴しました。

要点は、

「会社が儲からないのは、全部、社長一人の責任。

商売は簡単なこと、出来るだけ安く仕入れて、出来るだけ高く売る。

社長が命がけで実行するかどうか。それだけや!」

最近、立場上ご指導を頂戴する機会が少ないだけに、有り難く心に刻みました。

ほんとは、もう読んだんですけど、まだ発売前なので、発売日までに、もう一回しっかり読んでから、再レビューします。

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