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トヨタ式 力イゼンの会計学

 

  • トヨタ式 カイゼンの会計学 田中 正知著
  • 単行本(ソフトカバー): 287ページ
  • 出版社: 中経出版 (2009/4/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4806132853
  • ISBN-13: 978-4806132851
  • 発売日: 2009/4/17

従来の会計の考え方に時間軸評価を加えるという内容です。

著者が言うように時間軸導入が全くの初出の内容かというと管理会計の分野ではすでに実績のある内容です。しかし、その管理会計も一般的に認識されている制度会計からは、かなり逸脱した内容ですから、制度会計いっぺん道、この道一筋で来た経理マンには、目から鱗の内容かもしれません。

最近の会計学に目を通していない経営者の方々、経理マン、全管理職必須の会計知識だと思います。内容は懇切丁寧で、高校生でも読めるように書かれています。

トヨタ式 力イゼンの会計学 もくじ

はじめに

第1章 ほんとうの「儲け」とは何か?

●私たちの『儲けの評価』は正しいのか

●「馬」と「豚」、どちらが儲かるのか 25

●『時間』の概念を入れて、評価する 34

●『時間』と『資金』の概念を入れて、評価する

●6つの評価法のまとめ 42

第2章 「お金」と「時間」はこうして考える

●「時間の経過」=「儲け」の能力を「ムダに寝かせている」

●「もの」の存在自体にもお金がかかっている 48

●「1カ月後の120円」と「10年後の200円」 53

●「利益率」と「収益性」の違いを考える 57

●「利益率」だけで「儲け」を考えていませんか 60

●「スーパー」と「コンビニ」の販売戦略の大きな違い

第3章 1万円の在庫を1日寝かせるといくら損をするのか

●在庫は常に「数量」と「金額」だけで管理されている 68

●「1万円の在庫が、1日でいくら稼ぐのか?」から考える 70

●「たな卸資産が稼ぐ」という発想 74

第4章 「本流トヨタ方式」から進化した『Jコスト論』

●『Jコスト論』を生み出した「本流トヨタ方式」とは何か? 80

●「本流トヨタ方式」で考える「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」

●「在庫低減」の真の効果 87

●「リードタイム短縮」の真の方法 88

●「本流トヨタ方式」による現場改善の実態 91

●なぜ、「トヨタ生産方式」の導入がうまくいかないのか

●やみくもな「原価低減」がもたらすこと 96

●Q(品質)を確保し、D(納期)を追求すれば、C(収益)は後からついてくる 98

●ジャスト・イン・タイム改善をきちんと評価する会計理論がほしい 10

●「利回り」をベースに評価法を考える 04

●壁を崩すための「新理論=Jコスト論」ができた 川

●各単位系を明確化する 17

第5章 中ロット生産が儲かる「ほんとうの理由」

●「大ロットのほうが生産コストは安い」と誰もが思っている

●小ロットと大ロット、2つのパターンを比較してみる 22

●「時間」の概念を加味して考える 27

●ポイントは「利回り」=「収益性」にある 30

●最大在庫金額を検証する 34

●段取り替え費用そのものを減らす、という発想 128

●見かけの「利益」ではなく、ほんとうの「儲け」=「収益性」を

第6章 並行生産と集中生産はどちらが簿なのか?

●なぜ「いつでも、どこでも」道路工事をしているのか7 44

●やり方次第でJコストが5倍も違う 棚

●「利益率」は同じでも、「収益性」は3倍近い開きがある 55

●ひとつひとつ、確実に完成させよ! 158

第7章 「高価な航空便」と「安価な船便」は、どちらが得なのか?

●スピードには「価値」がある

●「安さ至上主義」による弊害

●時間をかけてでも、輸送費は減らすべき?

●「中身」を吟味して、「速さ」は決める

●物流によって、どれくらい収益性が落ちるのかを判断基準にする

●リードタイム比の影響

●倉庫の中に寝かせておいても、劣化する

●運賃を上げれば、収益性は上がる

●物流コストを下げるための企業の工夫

第8章 中国工場で生産するのは、本当に得なのか?

●「利益率」では中国での生産が儲かる 9。

●時間概念を加えると、中国生産が「儲かる」とはいえない

●国内か海外か、「明確な基準」があれば迷うことはない

●「ものを動かすと発生するリスク」を忘れてはいけません

●ムダに「ものを動かして」いませんか7 207

第9章 なぜ、在庫は増えるのか?部分最適をやめて、全体最適へ

●なぜ、在庫は増えるのか7 212

●部門ごとの「ムダとり」が、悪さの大きな原因 214

●従来の会計理論は、在庫を抱える=「損失」ではない

●「不足してはいけない」という意識が強い 22

●不要になったら、「減らす勇気」を持つ229

●かんばん方式が有効なワケ 233

●なぜ、「収益性」で考えることが重要なのか7235

第10章 『Jコスト論』は、こうして導入・実践する

●『Jコスト論』を、あなたの職場に導入する方法 238

●銘柄別に『Jコスト図』を描く 241

●「投入資金量」という考え方 24〝

●銘柄別に「収益性評価」を行なう 用

●企業全体の収益力を総合評価する「収益性分析図」 25。

●「収益性劣化図」の活用 257

●「Jコスト論的発想」により成功しているビジネスモデル

●全体最適≠部分最適の総和 27。

・「Jコスト論的部分最適」が会社全体を変える 274

●明日の成功のために 27

おわりに

第1章 ほんとうの「儲け」とは何か?

●「『原価改善せよ!』というけれど、現場は何をどう改善したらよいのか」

●「在庫低減を提案したら『いくら儲かるのか』と聞かれ、説明に困った」

●「生産革新の名のもと、工場が見違えるほど改善を進めた。しかし掛けた費用に見合うコストダウンが見えてこない」

●「さまざまな改善をして、個々の数字としては儲かっているのに、なぜか資金繰りはきついままだし、全体の利益が上がらない」等々。

日夜改善に邁進している、さまざまの立場の方たちからこのような「トヨタ生産方式改善の会計的評価」に関する悩みをお聞きしています。

私自身も、トヨタ自動車の「製造部門」にいたときに、諸先輩からは、『生産現場に原価低減(C)を押しっけるのは滅びの道である。トヨタ生産方式の現場改善というのは、自働化で品質確保(Q)をした上で、リードタイム短縮(D)に徹することにある。そうすれば収益性(C)は後からついてくる』と教えられ、そのように取り組み、成果を上げてきました。

私の目では大きな成果に見える改善を、会計に明るい人たちは理解できず、「リードタイムを短縮すれば、なぜ儲かるのか」と怪訝な顔で開いてきます。それに答える理論体系はありません。冒頭にある悩みは、かっての私自身の悩みでもありました。

悩み抜いた末、私が到達したのが、本書のテーマ『Jコスト論』なのです。

本書を読み終えると、『Jコスト論』をご理解いただけると思いますが、まずは、会計学の抱えている問題点を説明します。

私たちの『儲けの評価』は正しいのか

「評価してみたが、結果が思わしくない」とき、あなたはどう考えますか。

①「評価方法が適切でない」

②「改善そのものが適切でない」

実は、①と②が入り交じっているのです。

改善を進めるためにどうすればよいかはよく考えますが、それを評価する肝心の物差しについては、最初から正しいと思い込んで、誰も疑っていないのです。

まず『Jコスト論』理解の前準備として、当然知っているつもりの『儲けの評価』を皆さんとともに再吟味してみましょう。

今からお話する内容は、東京大学の『ものづくり寄席』において掛けた外題をアレンジしたものです。「馬と豚、どちらが商売になるのか」という事案を考えるとき、評価方法を変えただけで、『儲けの度合い』が劇的に逆転してしま、γという恐ろしいお話です。寄席のお話ですので、深刻にならずにお開きください。

「馬」と「豚」、どちらが儲かるのか

『とんま』という言葉があります。大辞林によれば「とんちき」と「のろま」を足して、余分な部分を端折ってできたという、ウソのような説明が載っています。

漢字では「頓馬」という難しい字を使っています。

ここでは「豚馬」と書くことにして、「豚」と「馬」、それぞれを育てて売った場合に、どちらが儲かるかを吟味していきたいと思います。全部で6つの評価方法を試しています。評価方法によって、結果が変わってくるという摩討不思議なことが起こります(注・ここで使っている数億はすべて架空のものです)。

【設問】ある飼育業者が、「馬」を飼育すべきか「豚」を飼育すべきか悩んでいました。

「馬」は子馬の仕入れ億が5万円、飼育代が月に3千円、2年間飼育して25万円で売れるとします。

「豚」は子豚の仕入れ値が1万円、飼育代が月に1千円、1年間飼育して4万円で売れるとします。

【解答】まず、各々に掛かった総コストを計算します。

「馬」の総コスト=5万円+3千円×24カ月=12.2万円

「豚」の総コスト=1万円+1千円×12カ月=2.2万円

ここから先は、6つの評価法を試します。それぞれをご説明します。

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【評価法1】単純に租利で比較

単純に租利で比較するには、「租利=売値1線原価」で計算できますから、前述の数値を使えば、

「馬」の租利=25万円-12.2万円=12.8万円

「豚」の租利=4万円-12.2万円=1.8万円

《結論1》「馬」が有利となります。

評価法1では「馬」を飼育したほうが11万円も儲かることになります。しかし、その前にかかった金額、すなわち仕入れ値の違いがあります。これを無視しているので、この結論で意思決定するのは誤りだと誰でも思うでしょう。そこで次ページでは仕入れ値の違いを配慮した評価方法を考えてみましょう。

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【評価法2】仕入れ値の違いを配慮

仕入れ値の違いを配慮して比較するには、「仕入れ値あたりの親利を比較」すればよいことになります。つまり、かけた金額に対して、どのくらいの割合の利益があったか、これを計算してみるわけです。

それぞれの仕入れ億租利率=粗利÷仕入れ値を計算しますと、

「馬」の仕入れ値粗利率=12.8万円÷5万円=256%

「豚」の仕入れ億租利率=1.8万円÷l万円=180%

《結論2》「馬」が有利となります。

「馬」の租利は仕入れ億の2・56倍です。「豚」より140%も有利となります。評価法2でも「馬」を飼育した方が、ずっと儲かります。「いくらの元手で、どれだけ儲けたか?」というのは、商売において非常に重要なポイントで、中小企業の社長、あるいは商店主たちは、「今日仕入れたものが、いくら稼ぐか」を常に気にしています。その稼ぎによって「明日はいくら仕入れるか」という身の丈に合った経営を頭に描いています。ところが、一般には、「売値に対して、どのくらいの租利があるか?」を重視する傾向にあります。ということで 「売上高利益率」を比較してみます。

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【評価法3】売値の違いを配慮

売上高利益率で比較するため、それぞれの租利÷売値を計算しますと、

「馬」の売上高利益率1-12.8万円÷25万円=51%

「豚」の売上高利益率=1.8万円÷4万円=45%

《結論3》「馬」が有利となります。

評価法3では「馬」が売上高利益率では0・51と依然優位です。しかし、「豚」との差は1.1倍に近づいてきました。 実際には大多数の職場で、この「評価法3」で意思決定がされています。そのため、「たくさん売れば、仕入れ値段も安くなり、二重に儲けられる」「とにかく利益率の高い商品」を重点的に売れという方向に陥りやすいのです。

本当にこの計算のように、利益率が高い「馬」の飼育案を採用して大丈夫なのでしょうか?

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実はここに、飼育期間という仕入れから売れるまでの期間の違いがあります。今までの評価法はこれを無視していたのです。「馬」の飼育は2年がかりの話で、「豚」の飼育は1年で済む話だったのです。「馬」1頭を飼育し終わるまでに、「豚」は2匹できるのです。この「時間」の違いという要素を入れて評価する必要があるはずです。次ページからは、いよいよ「時間」の概念が登場します。

『時間』の概念を入れて、評価する

【評価法4】飼育期間の違いを配慮(1)

ここではわかりやすいように、仕入れ価格を縦軸、飼育期間を横軸にして、お金を使っている状態を表す図をつくってみました。

次ページの図を見て下さい。図の中の「馬」の長方形の『面積』の中に、「豚」の長方形の『面積』が時間の方向2個、金額方向に5個、並べることができます。全部で10個ピッタリ並べることができるので、この図から「馬」1頭と「豚」10匹とを同格として、租利を比べるのが公平なやり方だと分かります。

「馬」…12.8万円×1回=12.8万円

「豚」…1.8万円×10回=18.0万円

《結論4》「豚」が、5.2万円有利となります。

今までとは反対になり、なんと「豚」 のほうが5.2万円も多くの粗利をたたき出しました。『面積』を勘案することで、全く異なった評価になります。今の例では、「馬」の『面積』に中に「豚」の『面積』がピッタリはまったから簡単に答えを出せましたが、「馬」と「豚」の『面積』がピッタリならない時にはどう考えたらよいのでしょうか。それは次ページでわかります。

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【評価法5】飼育期間の違いを配慮(2)

評価法4では、『面積』を同じにして粗利を比較しましたが、これは〔租利÷『面積』〕を使って評価したことを意味しています。このように定義すれば

「馬」租利÷『面積』=12.8万円÷(5万円×24カ月)=0.11/月

「豚」租利÷『面積』=-1.8万円÷(1万円×12カ月)=0.15/月

《結論5》 「馬」0.11/月=1.32/年

「豚」0.15/月=1.80/年 →「豚」のほうが有利

評価法5でも評価法4と同じく「豚」のほうが有利となりました。この事例から〔租利÷『面積』〕を使えば、『面積』の形を問わずに比較できるということもわかりました。これを「馬」を飼育する代わりに、5万円で投資ファンドを買い、2年後に25万円で売れたとして、その利回りを計算しますと、

利回り=租利÷(投資額×期間)

=(25万円15万円)÷(5万円×24カ月)

=租利÷『面積』となって、評価法5と同じ計算式になります。

この場合、『面積』は投入資金量に相当し、今後いろいろな場面で出てきます。そこで、この『面積』のことを「Jコスト」と名づけます。『面積』=「金額」×「時間」=『Jコスト』。このように定義すれば、利回りとか営業上の儲けとかを問わず任意の形の『面積』も計算することができます。(Jコストの詳しい説明については第4章を参照)

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『時間』と『資金』の概念を入れて、評価する

ところで評価法5の例は、定期預金タイプでしたが、実際は月々の飼育代がでていきます。毎月の飼育代は、租利を計算するときの原価としてのみ計算されていましたが、月々の支払いという形が評価されていません。これはどう考えたらよいのでしょうか。

月々一定額の飼育代を使って飼育している状態というのは、積み立て預金とよく似ています。「頭金」を子馬の代金、「月々の積立金」を飼育代、「満期までの積み立てた全額」が総原価、「利息」が租利と見なせば完全に一致します。それゆえ、「積立預金モデル」で計算すればよいことがわかります。

さて、このとき分母となる「金額」×「時間」から計算される『面積』はどうなるのでしょうか。

先ほどは一定額で維持する場合を考えていたので、『長方形』になりましたが、今度はその上に、月々投入した飼育代が累積していく三角形が載った形になります。「馬」でいえば、最初が子馬代だけの長方形、最後が総原価の台形になります。

このことを配慮して、「積立預金モデル」で計算してみましょう。

【評価法6】月々の飼育代も配慮

まず41ページの図を見てください。図では、台形の面積を直接計算しておりますが、ここではわかりやすくするために、三角形と長方形で分けて考えます。

「馬」の飼育代の『面積』

=(3千円×24カ月)×24カ月÷2=輿4万円・月

「豚」の飼育代の『面積』

=(1千円×12カ月)×12カ月÷2=7.2万円・月

次に、「仕入れ債」×「時間」からなる長方形の『面積』を求めます。

「馬」の長方形の『面積』=5万円×24カ月=120万円・月

「豚」の長方形の『面積』=1万円×12カ月=12万円・月

最後に、三角形と長方形を足した台形の『面積』あたりの『儲けの評価』は、

「馬」の『儲けの評価』=租利÷台形の『面積』=12.8万円÷(86.4+120)万円・月

=0.062/月

「豚」の『儲けの評価』=租利÷台形の『面積』=1.8万円÷(7.2+12)万円・月=0.094/月

《結論6》「豚」のほうが儲かる。しかも「馬」よりも約5割増しで儲けられる。

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この評価法6こそが、時間軸を入れて評価する『Jコスト論』の考え方なのです。もう一度、最初からこの設問の答えとしての6つの評価法を見直してみましょう。

6つの評価法のまとめ

次ページの図に、今までやってきた6つの評価法を一覧表にまとめてあります。皆さんは今まで計算してきた6つの評価法を比べて、あらためて、その数字の開きの大きさに、ビックリされたことでしょう。

この図をよく見て下さい。会社で儲けを評価する場合、ほとんどの人たちは、3番目の「売上高利益率」を使っています。

次に多いのは、2番目の「原価利益率」です。

しかし、どちらも『利益率』なので時間の要素が入っていません。

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一方、6番目の『Jコスト論』 は『収益性(利回り)』で評価しています。この章で、でてきた『面積』こそがすべての「投入資金量」を表すものなのです。

先に述べたように、これに「Jコスト」という名前をつけました。

次の章からは、この「Jコスト」という名称でお話を進めていきます。

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高田直芳氏の会計本シリーズ

高田直芳氏の会計本はすでにPHP研究所などから大部のものが出ており、大変わかりやすく参考になったが、今回のシリーズはどうだろう。

結論から言うと、すでに出ている本読んだ人は氏の意図をある程度くみ取れるだろうけど、この三部作から読み始めると、戦略会計にミクロ経済学の知見を導入するところなんかが、純粋な会計本としてみると違和感があると思う。よって今回のものは試みとしては大変面白く将来性のあるアプローチだが、ちょっと、滑ってるという感じがする。

以前紹介した

   や

   を読んで共感出来た人なら、お勧めできます。まずこっちが先だと思いました。

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『意志決定を間違わない人の習慣術』中島一

KT法最新のわかりやすい解説。以前に紹介した「決断の法則」の姉妹編と言う感じです。文章ばかりで少々退屈するかもしれませんが、これほど解り易く書かれた書物がほかにないのでしょうがないです。

この本風に言うと、

  • 「何を決めるの?」
  • 「狙いは何?」
  • 「ほかに案はないの?」
  • 「何かまずいことは起きないの?」

もとはケプナー・トリゴー法(KT法)に則った考え方です。

KT法は、誰でも簡単に使えるので、意志決定の王道でしょう!

とは言っても、地道に実践で使ってみないと身につきません。

でも、根気よく実践すれば、何時しか、このステップを踏んで決めたことを、自信を持って実行できる自分に気がつくでしょう。

<目次>

プロローグ 「手順をふんで考える」ことがすべての成功につながる

  1. 明確な目的意識なき行動は、無意味であり、失敗に終わる
  2. 先を見据えて行動する習慣が、夢の実現につながる
  3. 意思決定を「間違える人」と「間違わない人」の差はどこにあるか
  4. 「意思決定の手順」をマスターすれば、仕事も人生ももっとうまくいく

1 最善の結果を導きだす「意思決定の手順」とは

  1. 私たちは時々刻々、「意思決定」をしている
  2. 「思考の手順をふむ」とはどういうことか
  3. 「思い込み」を防ぐには〝思考の道具″が欠かせない
  4. 最善の結果を導きだす「5つの思考プロセス」とは
  5. 手順をマスターするには、やはりトレーニングが必要
  6. STEP①~⑤をきらに詳しく見てみよう
  7. 意思決定手順がわかる実践トレーニング(その1)クルマ選びの場合
  8. 意思決定手順がわかる実践トレーニング(その2)お見合いをセットする場合
  9. 意思決定手順がわかる実践トレーニング(その3)資格選びの場合
  10. 手順を「質問形」にすれば、ラクに確実に覚えられる
  11. 上に立つ人間ほど、よき「質問者」たれ

2 何のために、何を決めるのか「目的」を明確にする技法

  1. 「目的」をきちんと設定することが意思決定の必須ポイント
  2. 「目的の改定」に影響を与える2つの貴国とは
  3. 「何を決めるべきか」をなぜ明確にできないのか
  4. 「いま何が起きているか」を正確に把握せよ
  5. 「仕事に対するポリシー」をはっきりと言えるか
  6. いつも受け身の姿勢で、考えることを放棄していないか
  7. あいまいな決定事項はどんどん「分解」せよ
  8. 「目的意識」をもった行動は自己成長にもつながる
  9. よりよい「目的」を設定するためのチェックポイント

3 目的を達成して、どんな成果を得るのか「目標、狙い」を定める技法

  1. 目的が正しくても「目標」を間違えば、好結果は望めない
  2. 「誰のどんな欲求に狙いを定めるか」を強く意識して考えよ
  3. 「狙いどころ」を明確にできない原因とは
  4. 抽象的な目標は情報を集めて具体化する
  5. 甘い目標は、厳しくどんどんそぎ落とせ
  6. 利害の対立に翻弄きれてはいけない
  7. 目標を改定してみたものの、納得いかない時はどうするか
  8. よりよい「目標」を設定するためのチェックポイント

4 目標実現の「案」を並べて「最適案」を選択する技法

  1. 最適の「案」を生めるか否かは、頑張りの差に尽きる
  2. ヒット商品を創りたいなら、始めからヒット案を考えるな
  3. 過去の成功体験などきっぱりと忘れよ
  4. 目的や目標が真に明確かどうかを疑ってみよ
  5. 未経験の分野について棄を考える時の秘訣
  6. 案づくりに行き詰まったら「身体」で考えよ
  7. よりよい「案」を改定するためのチェックポイント

5 最適案の「リスク」を洗いだし万全の対策を講じる技法

  1. 最適案がはらむ「リスク」には、どんなものがあるか
  2. リスクが浮かばない時こそリスクは大きいと自覚せよ
  3. 魅力的な実に惑わされてはいけない
  4. 未経験の分野のリスク対策はどうすべきか
  5. リスク想定を可能にする社食変化の予測法
  6. 「慣れ」というリスクを見逃してはならない
  7. よりよい「リスク予測」のためのチェックポイント

6 「実行計画」を立て、ぬかりなく「リスクマネジメント」する技法

  1. 「リスクマネジメント」は実行計画の完遂に不可欠 リスクマネジメントの正しい進め方
  2. 意思決定しても「行動」しないのでは無意味
  3. 失敗を成功の糧にできるかが人生の別れ道
  4. 「何もしない」ことは最大のリスクと心得よ
  5. リスクと「友達」になって自己を発見、開発する
  6. 「受け身のリスクマネジメント」をする限り、失敗は練り返される
  7. よりよい「リスクマネジメント」を行なうためのチェックポイント

7 「自分の意思決定」と「他者の意思決定」をうまく調整する技法

  1. 「人間の相互の甘え」が意思決定にブレーキをかける
  2. 「性格」は直すものではなく生かすものと心得よ
  3. 他者と関わる意思決定において守るべき「5原則」とは
  4. 「自分の意思決定」なくして合議に出るなかれ
  5. 自分の意思決定を相手にわかりやすく説明する披術
  6. 「他者の意思決定」はどうすれば理解できるか
  7. 他者との意見のズレをいかに調整するか
  8. 「権益」のカベが組織の意思決定を停滞きせる
  9. 苦境を突破できる人間は、みな「超自我」に目覚めている

エピローグ 意思決定能力を武器にして人生の夢もつかみ取ろう

  1. いまの不安な気持ちは「人生への期待」のあらわれ
  2. 「目的」の持ち方しだいで可能性は無限に広がる
  3. 目標は高く掲げ、けっしてダウンさせるな
  4. 時代の「すき間」に照準を定めよ
  5. 目標に向かってひた走れば、あなたは一変する!

以下、引用長文

プロローグ「手順をふんで考える」ことがすべての成功につながる

明確な目的意識なき行動は無意味であり、失敗に終わる

ある課題を前にして、いかに最善の結果を得るかは、ひと言でいえば、「明確な目的意識をもって正しく思考、判断し、それを行動に移すことができるか否か」に尽きるのではないでしょうか。それは、毎日の仕事のさまざまな選択や判断、決断はもちろんのこと、転職や結婚といった人生の節目となる大きな決心、さらには「飲んだ次の日もまた飲むか、それとも早く帰って家族サービスをするか」といった日常レベルでの小さな決定についても同様です。何をやるにしても、「何のために」という明確な目的意識をもって、いかに行動するかを考えることを日々習慣づけているか、あるいは、あいまいな気持ちのまま、行き当たりばったりで行動するかによって、その後の仕事や人生は大きく明暗を分けることになるのは間違いありません。

ここに紹介する、ふたりの男性の事例は、そのことを如実に示しています。

知人のⅩ氏は、東京の一流とされる大学を優秀な成績で卒業し、大手の電気メーカーに入社して以来、同期のトップを走り続け、40歳早々に課長に特別昇格。エンジニアとして、華々しい実績を積み重ねていました。しかし、彼が管理職になって間もないころ、事態は一変しました。会社の長期業績低迷を受けて、リストラがはじまり、Ⅹ氏の課にも表向き希望退職というかたちで、実際に何人かを退職させるように上部から強い指示がきました。自部門のノルマを達成せんがために節操なき行動に出る上司たちを目の当たりにし、Ⅹ氏は働く気力を失ってしまいました。

そのとき、以前から漠然と考えてきた田舎暮らしへの想いが、急にふつふつと湧いてきました。毎年夏休みに、八ヶ岳のふもとのペンションに奥さんと子供をつれて過ごすようになって数年がたちます。来るたびに、青い空と白い雲の下に堂々と連なる峰々を見て、この景色のなかで、農業でもしながら晴耕雨読で過ごせたら、どんなに楽しいだろうかと思っていました。奥さんもやさしい方で、Ⅹ氏の提案に快く賛同してくれました。Ⅹ氏は「野菜は自然食品の店でしか買わない」というほど、野菜の質にこだわる人でした。「これからは毎日、自分が有機栽培や無農薬栽培でつくつたトマトやレタスを家族で食ベられる」と喜びを噛みしめていました。 まず、住宅と田んぼ、畑を探しました。奥さんの希望もあって、リゾート地にいまは空き家となっている元ペンションを、また、そこから車で片道30分ほどの八ヶ岳の麓近くの絶景の土地をすぐさま購入しました。

さて、それからが大変でした。土地に生えた雑草は手作業で刈り取ることは不可能です。トラクターやフォークリフトなど農機具がないとまったく手に負えないことがわかり中古を買いましたが、運転が自動車の操作より難しいうえ、慣れたころには故障続き。小さな土地を耕すだけで、数か月たってしまいました。ようやく農地らしくなったと思ったら、ある晩、八ヶ岳から強風が吹き、耕した表土が全部飛ばされてしまう始末。冬が到来し、土は凍りついて、来春にならなければ土地は再生できそうにありません。さらに愕然としたのは、有機肥料を使う場合、化学肥料なら50キロですむところを、1トントラック分を2回も播かなければならなかったことです。当然、散布機なしでは不可能。もちろん自前での調達は無理です。また、近くの畜産家が肥料を提供してくれなければ、運搬料が高くて採算が合わない。いっぽう、無農薬野菜については、日本ではジャガイモと玉ねぎ以外には現実には存在しないことがわかりました。

彼は、自然農法で生きると大見得をきった手前、ここで引き下がれないと考え、翌春、自然農法で田舎暮らしを実践しているというある人物を長野の南部に訪ねました。畑を見て呆然としました。雑草のなかに、粟や稗がまぎれるように生えていて、家は朽ちており、奥さんは身体をこわして故郷の東京へ。近所からは、「農薬を使わないのは畑で害虫生産をしているのと一緒」と、追いたてをくらっているとのことでした。まるで仙人といった風貌を見て、これでは子供を育てられないと翻意することにしました。それでやむなく、農業指導員の指導を受けることにしたのです。しかし、その結果も悲惨でした。農業指導員は、その地区の特産物づくりを勧めます。主品目はレタスでしたが、そのための土壌づくりに翌年中かかり、ようやくできたときには、大雨で畑が崩れて流され、3年目にようやく出荷できるようになったときには、供給過剰で生産組合が買ってくれず、泣く泣く畑に埋めこむ始末。そのころには資金も底をつき、見通しが立たないので融資も受けられず、一家は山を降りて東京にもどりました。

退職奨励金やそれまで子供の教育費として貯蓄していたお金が消えてなくなり、ペンションまで考えたリゾート住宅は投げ売り、借金返済を抱えながらアパート暮らしをすることになりました。Ⅹ氏は現在、介護センターの従業員になっています。

先を見据えて行動する習慣が夢の実現につながる

次は、もうひとつの事例です。M氏は35歳、神戸の大学を出て、食品会社に勤めました。入社して6年がたったころ、「自分で責任をとれる仕事をやりたい」と一念発起し、農業の世界に足を踏み入れました。農業分野が、自由化の波でより厳しくなることを知り、「厳しいところにこそチャンスがあるのではないか」と考えた末の決断でした。当初から、農業にたいする考え方は、あくまでビジネスとして位置づけていました。事業として農業を研究しているうちに、全国新規就農センターという組織が情報をくれて相談に乗ってくれることがわかり、そこでいろいろなケースを学びました。

農業を事業として行なうということは、家族を養うということを含めて、自分がすべての責任を負うことになります。農業や田舎暮らしをすることと産業として農業をとらえることは、まったく「目的」が異なること、そして自分は後者を「目的として選択する」ことを決意しました。であるならば、作物をつくって満足するだけでなく、経常として成り立つことを考えなければなりません。長期にわたって収益を確保するために、何をどこでどの程度の規模で生産すべきかという案」を明確にしなければならないと考えました。また、それは自分の所有資金が許す範囲での選択で考ければなりません。栽培計画、資材購入計画、販売計画、技術の導入・開発計画、設備計画、財務計画など、一般の企業が必要とする業務目標をすべて設定して、急うえで目標を可能にしてくれる立地選択案の適切性が求められると判断しました。

彼がいちばん重要視したのがマーケティングで、顧客が確実に存在しているという「狙いどころ」を満たす農産品を生産することにしました。タバコの葉をJTに、大根を京都の漬物屋に、甘藷は直販市場にと決め、バランスがとれた収入を目指すことにしました。くわえて彼が重視したのは、奥さんと小さい子供が安全に暮らせるという条件でした。京都の丹後地区の入植地がこれらの条件に適合していました。独立準備には3年かけましたが、就業2年目にして粗収入は1,800万円を超え、冬には家族でスキー三昧の楽しく充実した生活を送っています。

意思決定を「問違える人」と「問違わない人」の差はどこにあるか

ふたりの対照的な事例を紹介しました。ひとりは傷を負い目的を達成できず、もうひとりは用意周到に夢を実現しました。しかし彼らは、知識、体力、性格、資金力、家族構成など多くの点で、違いはありませんでした。ただ唯一、決定的に違ったのが、狙いを明確に定め、正しい手順をふんで行動したかどうかということです。

Ⅹ氏の八ヶ岳に行く動機は、現状からの逃避、田舎暮らしという漠然とした夢、自然農業という思想、収入獲得手段としての農業などが混沌としており、焦点(目的)があいまいです。これが土地選択にあたっての「狙い」を不明確にし、結果的に思いつきの「案」を選んでしまっています。土地を買ってから、とてつもない困難の連続に直面しました。つまり、このⅩ氏は日ごろから、自分が意思を固め行動を起こすときの「正しい思考プロセス」をきちんと意識する習慣がなかったため、こうした大きな決断を要する場面においても、自分のなかで盛りあがった雰囲気にまかせて、やみくもに行動したのです。このような人は、いつも「なんとなく」行動してしまいますから、望ましい思考や行動のパターンが月分のなかに累積化されず、毎回のように同じ失敗を繰り返すことになります。

いっぽうのM氏は、意思決定が明確です。自立した経営体としての農業を営むという目的が定まっているので、そのうえで、どこに狙いを定めて目的を実現するのかという経営計画をつくり、それを実行するための最善の選択肢として、就農地を選びました。ようするに、このM氏は、サラリーマン時代から、何をやるにしても「目的ははっきりしているか」「どこに狙いを定めるのか」「目的を実現するうえでの最善の案は何か」「リスクはどうするか」といった、目的達成にいたるプロセスを頭のなかで描いたうえで行動する習慣をもっていたため、こうした人生の転機においても、普段どおりの考え方を適用して、問題を解決し、夢を実現できたわけです。

私たちの日常は、「何かを考え、行動を起こす」ことの繰り返しですから、そのすべてにおいて、いちいち振り返ったり、検証するようなことは現実的には難しいでしょう。しかし、思考のプロセスを軽視している、あるいは、その存在にすら気づいていないために、いかに多くの〝無駄な失敗″が積み重ねられているかと思うと、やはり〝正しい思考法〟の存在を知ってほしい、そして、根拠のない〝気分″に左右されることなく、自分の経験を「法則化」する努力を重ねてほしいと切に願うのです。

「意思決定の手順」をマスターすれば仕事も人生ももっとうまくいく

私は、「意思決定」のアナリストとして、長年にわたって、企業や官公庁のコンサルタント業務を行なってきました。物事には手順があること、そして、その手順をふめば最善の結果が確実に得られるということを指導してきましたが、この考え方を素直に受け入れ、習慣的に実践された方々は、みな仕事の能力が格段にアップし、リーダーシップが身につき、仕事ばかりか、プライベートもはるかに充実するようになったと一様にいわれます。「つねに思考の手順をたどりながら行動するので、論理的思考力が飛躍的にアップする」「手順に沿って他人の意見や情報を聞き入れ、また手順にもとづいて相手に説明できるようになるので、コミュニケーション能力が増し、積極的な人間関係がもてるようになる」「目的を達成すべく知恵をしぼり続けていると、どこかでかならず困難なカベを打ち破る経験がもてる。それが自信となり、仕事力がつき、簡単にはあきらめない心が根づく」読者のみなさんにも、早くこうした実感をおもちいただきたい。そのためのノウハウを、これからひとつずつご紹介していきましょう。

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管理会計の教科書

この人の本は判りやすくて、なおかつ深い。判りやすいけど、判りやすいことしか書いていない会計の本ってたくさんありますよね。この本は内容も濃いです。


彼がためになる記事を連載しています。わたしがヘタに解説するよりリンク先の内容を評価してもらったほうがよいと思います。

彼のサイトは今つながんないんですよね・・・残念。

繋がりました。「麦わら坊の会計雑学講座

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