東京へ出たついでに、八重洲のブックセンターで、どんな本が流れてるのかチェックしました。在庫管理に関してたくさんの書籍が出ていましたが、上記、書籍が実務担当者用ハンドブックとしては良くできています。本当に現場の実情をよく把握した上で、書かれているので、購買部や物流部に必須の参考書だと思います。書名が如何にも軽いですけど、内容は本当の在庫管理の実情を把握した上で書かれています。単位は日付単位で見ましょうとか、発注法は各種あるが、こいつがベストで、やむ終えない場合はこれで行こうとか、手法の紹介のみに止まらず、現実的な選択まで解説しているところが、即戦力という感じで好感が持たれます。
・・・・湯浅先生も書きすぎで、最近ちょっと内容が薄いんじゃないのって思ってましたが、見直しました。・・・と言っても、ほとんどお弟子さんの方が書かれてるんですけど。
以下、前振りの事例紹介によるよくある問題点の紹介です。わたしも、物流センターの立ち上げやら、見積もりの際の見学などで全く同様のケースに遭遇します。800年云々の話など、台詞まで全く同じ事例があったので、思わず笑っちゃいました。
実情では、このあたりの管理は、物流業者の請負範疇外なんだろうけど、荷主へのこう言うサポートがきっちり出来る様になると、本当の対等なパートナーになってゆけるんじゃないかと思います。
…こういうのは、やっぱ、Excel だろうな~統計関数も便利だし…。定型業務なら、何ら悩むこと無いんですけど、このあたりの仕事は悩みますね~。データ加工手数は、圧倒的にAccess有利なんですけど、後の表現力がExcelなんですよね。
ところで、こんな長文の引用良いんでしょうか?ダメですよね…。でも、Amazon で見れる程度のこと書いても、下手な要約を書いて、ぶつ切りの引用するより、一部丸ごと引用の方が良い紹介になると思って確信犯的に長文の引用をします。
第1章 いま、在庫管理は
在庫管理はけして新しいテーマではありませんし、近年、在庫管理に関わる企業の意識は全般的に高まってきているように感じられます。在庫削減の重要性が広く認められ、多くの企業で在庫情報のデータベース化がすすみ、在庫管理のためのシステムやパッケージソフトも普及しつつあります。しかしそれでもなお、「うちの在庫には問題があるんだ」と訴える会社は後を絶ちません。
この章では、いくつかの事例を通して「よくある在庫問題」を具体的にみていきます。きっと、「うちの会社にもこんな問題がある、ある」と感じられる事例がみつかることと思います。
1-1 在庫管理の何がうまくいかないのか
在庫竜理がうまくいっている状態とはどんなものでしょう。うまくいかない状態とうまくいっている状態では、何が本質的に異なるのでしょうか。
「わが社の倉庫には要らない商品がたくさんあり、一方で、よく出る商品は頻繁に欠品している」
「正しく管理すれば今の半分くらいの在庫にできそうな気がするのだが、なかなか実現できない」
「年度末には在庫削減をやるけれど、すぐにもとに戻ってしまう」
在庫については、こんな話がどこででもきかれます。
在庫管理はけして新しいテーマではありませんし、とくに近年、在庫管理を取り巻く環境はかなりよい方に変化してきたと思います。在庫削減の重要性が広く認め られ、多くの企業で在庫情報のデータベース化がすすみ、在庫管理のためのシステムやパッケージソフトも普及しつつあります。
しかしそれでもなお「うちの在庫管理はうまくいっている」「在庫を少なく抑えられている」という企業には、なかなか出会うことができません。むしろ、まれだといってよいくらいです。
在庫管理の状態が一目でわかる「在庫散布図」
在庫管理がうまくいっていないとは、具体的にどのような状態をいうのでしょうか? 図1-1は、あるメーカーの物流センターの「在庫散布図」です。在庫散布図は、在庫管理がうまくいっているかどうかをひと目でみられるという特徴を持っていますので、まず、この図の見方から説明しましょう。
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在庫散布図は、横軸に「出荷日数」、縦軸には「出荷対応日数」をとり、1つ1つの点は商品1アイテムをあらわしています。出荷日数は月間でこの商品が出荷された日が何日あるかという日数です。
右のほうにプロットされている商品は毎日のように出荷され、左の方はなかなか出ない商品ということになります。 縦軸の出荷対応日数は、それぞれの商品の月末の残高を日数で表したものです。「日数で表した」とは、個数を1日あたりの平均出荷量で割って「何日分」という単位に直したことを意味します。
つまり、出荷対応日数は今の残高であと何日分の出荷に対応できるかという日数を表すもので、90日分とか100日分というのは実際にはおよそ出荷されそうもない過剰な量であるといえます。逆に出荷対応日数が2日とか1日を切っているような場合はすぐに補充しないと欠品の恐れがあるという状態を示します。
在庫が管理されているか、いないか
このメーカーの在庫散布図では、出荷対応日数は1日未満から100日のものまで大きくばらついています。このばらつきこそが、在庫管理がうまくいっていない状態を示すものだといえます。出荷対応日数をコントロールできておらず、在庫過剰と欠品が一緒に発生している状態です。
在庫管理がうまくいっている場合は、在庫散布図のプロットは、ある一定の出荷対応日数以下のエリアに集まってきます。図の中で網掛けしてあるのは「10日以下」の部分ですが、プロットがここに集まるということは、すべての商品の在庫が10日分を超えることがないようコントロールされているということを意味します。これが「在庫が管理されている状態」なのです。
在庫管理の使命は需要に合わせて補充すること
在庫管理がうまくいっていない状態を言葉でいうならば「在庫が市場の需要動向にあっていない状態」といえます。逆にいえば、在庫管理の使命は「在庫を市場の動向にあわせること」に尽きるといえます。鍵を握るのは在庫の補充のコントロールです。出荷はコントロールできないわけですから、入荷すなわち補充のほうを需要にぴったりあわせてやって、市場が必要とする在庫だけを用意するということが求められます。
実際には、この補充をうまく需要にあわせてやれない事情がいろいろあるわけです。以下、在庫管理の現場で実際に発生している問題をいくつか取り上げてみていきましょう。
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1-2 情報不在が在庫の過不足を生む
商品ごとの在庫の残高と、入出荷の数量が日々わかる在庫データベースを持っていることは、在庫管理を行う上での必要条件です。この情報がない環境での在庫管理は、だれがやってもおよそ以下のような状態になります。
在庫の情報がとれない状態
オリジナル菓子類の企画・販売を行うA社は、在庫データベースの構築に着手したばかりです。 現時点では、在庫の残高が単品ごとに今いくつあるのか、正確なところは倉庫の現物を見ないとわかりません。今日明日の入荷数量や出荷予定の情報も、担当者でないとわかりませんので、需給がタイトな商品については発注担当者がホワイトボードに入荷予定をメモする、大口の出荷予定があれば営業担当者が同じボードに書き込むという形で、顧客からの納期問い合わせ等に応じるために必要な最低限の情報共有を行っています。
情報がなければ需要にあった発注はできない
在庫管理上、現在の状態の最大の問題点は、発注担当者が発注判断の拠り所とする情報を得られないということです。A社でも、発注担当者が毎月、自分のパソコンでエクセルの表をつくり、前月の出荷実績をみながら発注予算を割り振るような管理資料をつくっていますが、日々の発注の判断は、カンと経験に頼って行わざるをえません。日々の出荷動向がわからず、残高もわからないのですから、これはやむをえないことです。
その当然の結果として、現在の在庫は、欠品を恐れて頼みすぎてしまったものが大量に倉庫に残り、予想以上に売れているものはつねに入荷を待つ状態になっています。 必要な情報がない状態で発注を行う場合には、およそどんな人が発注しようとも、需要にあった発注を行って過不足のない在庫を保つことなどできません。商品ごとの、毎日更新される在庫残高と最新の出荷動向という2つの数字は、在庫管理のために最低限必要な情報なのです。

「在庫管理以前の状態」から脱却へ
在庫管理のために最低限必要な情報がとれていないというこの状態は、少し以前までは多くの企業にとって普通の状態でした。この10年ほどの問で状況はやや変化してきていますが、それでも、必要な情報がとれず「在庫管理以前」の状態にある企業は、A社に限らず、まだまだ多く見受けられます。
A社も、現在、物流センターの在庫情報のデータベース化に取り組み、在庫残高や入出荷の最新情報を、関係者全員がパソコンの画面上でみられる環境をつくろうとしています。発注担当者のためには、発注勧告※や推奨発注量の計算を行う機能まで付いた「在庫管理システム」を構築しようとしています。
※今日発注しないと在庫が足りなくなりますという勧告のこと。在庫管理システムのなかで、在庫童がある設定した量(発注点)を下回った場合に行われる。
1-3 「在庫データ」はあっても「在庫情報」はないという状態もある
在庫データベースが整っていても、それだけで在庫管理ができるわけではありません。在庫管理に使える「在庫情報」と在庫データはどのように違うのでしょうか。
電子機器関連用品の卸業者であるB社では、10年ほど前に在庫情報データベースを構築しました。東西2箇所の物流センターの在庫情報は社内情報システムで共有され、関係者は各人のパソコン画面上で、単品ごとの在庫残高の最新情報を見られるようになっています。
しかし、B社の在庫管理はけしてうまくいっているとはいえません。B社では管理部門が定期的に「在庫レポート」を作成し、「3ケ月以上の滞留在庫」「6ケ月以上の滞留在庫」などの情報を関係者に流していますが、その金額は一貫して上昇傾向にあります。売上が拡大していることもあり、物流センターはつねに満杯で、スペース不足を訴えています。一方で、「欠品・入荷待ちリスト」にあげられる商品もつねに数多くあるという状態です。
「在庫データ」と「在庫情報」は違う
B社の問題は、在庫データは取れているけれど、在庫管理に使える有効な「在庫情報」になっていないというところにあります。
B社が在庫データベースで共有している在庫データは、単品ごとに残高が何個あるか、これを金額でみるといくらになるかというものです。この数字は、在庫管理にはこのままでは使えないのです。個数や金額の残高データからは、現在の在庫が多いのか少ないのか判断できず、どれだけの補充が必要なのかもわからないからです。
それでは在庫管理に使える在庫情報とはどのようなものでしょうか。それは、現在の需要と対比した数字になっていることが必要条件です。
在庫は「日数」でとらえる
具体例で説明しましょう。 ある商品が5,000個あるとします。これだけだと、5,000個が多いのか少ないのか、にわかには判断できません。 この商品が1日何個ずつ出る商品であるかということを調べて、これと対比すると、状況が変わります。 もし1日に100個ずつ出る商品ならば、今の在庫は50日分あります。50日の在庫があればゆっくり減るのを待っていればよいでしょう。しかし、もし1,000個出る商品ならば今の在庫は5日分、2,000個出る商品だったら2.5日分しかありません。5日分となるとそろそろ補充が必要かもしれません。2.5日分となれば、おそらくすぐにでも発注しないと欠品のおそれがあるでしょう。
このように、在庫情報を「日数」にすることで、現在の在庫が多いのか少ないのか、判断ができるようになります。 さらに、日数にした在庫情報は、補充をかける場合にどれだけ発注すればいいかという決定にも手がかりを与えてくれます。これは、補充量を「1日分の在庫」をベースに計算するということです。たとえば在庫を10日分持つと決めたら、10日分とは1日1,000個出る商品ならば1万個、2,000個出る商品だったら2万個であり、これが発注量決定のベースとなるのです。
発注量の計算方法については別の章で詳しく解説しますが、ここでは、このように需要と対比して「何日分」という形で示されてはじめて、在庫データは在庫管理に使える「在庫情報」になるのだということを覚えておいてください。
管理に使える在庫情報を提供する発注管理システムの構築へ
在庫管理システムは持っているが在庫管理はうまくいっていないという悩みは、B社に限ったものではありません。かつては必要な情報がとれないことが在庫管理の最大のネックだといわれてきました。最近では、情報はあるものの、これを有効に使えていないために在庫管理がうまくいかないという悩みを、むしろ多く耳にするようになっています。
情報を有効に使うという意味で、「在庫データは需要と対比して日数でとらえなければならない」ということは特に重要なポイントの一つです。B社も現在、「日数」をベースに発注支援情報を提供する新しい在庫管理システムの構築に取り組んでいます。
実はB社でも、発注担当者のなかにはこれまでも個人的に在庫残高を「日数」に換算するエクセルシートをつくり、これを発注の判断に活用している人がいました。単品ごとに出荷対応日数を計算して「在庫分布図」をつくってみると、彼のいる商品部門は出荷対応日数のばらつきが少なく、あきらかに他の部門よりもうまく在庫管理できていました。しかし、これまでの金額ベースの「在庫レポート」ではこの優位性は確認されず、彼のエクセルシートも単独の部門のなかでしか使われていなかったのでした。

1-4 発注支援の設定定が在庫管理システムの生命線となる
在庫管理システムは持っているのに在庫管理がうまくいっていないという事例を、もう1つみておきましょう。
誰も設定していない「発注点」「発注量」
在庫管理の要は「発注」です。在庫管理システムの成否は、発注をうまく支援できるかどうかにかかっているといえます。 事務用品等卸のC社の在庫管理システムでは、発注の支援は「在庫があらかじめ設定した一定量よりも少なくなったときに」「あらかじめ設定した一定量の発注を推奨する」という仕組みになっています。
2つの「あらかじめ設定した一定量」は、商品ごとに、発注担当者が設定することになっています。たとえば、「この商品は、在庫が100個より少なくなったら500個発注する」という場合であれば、発注担当者は「100個(発注点)」と「500個(発注量)」という2つの数字を設定するわけです。
実際のところ、C社のシステムではシステムの発注勧告と推奨発注量は発注実務にはまったく使われていません。その理由は、「100個」と「500個」に相当する数字を商品ごとに設定するという作業を、発注担当者が誰一人としてやっていないからです。ほとんどの商品で数字は空欄のまま、あるいは初期設定値のままになっています。
発注点※の個数設定は発注よりも大変な仕事
システムが使えないので、発注のタイミングと量の決定は発注担当者がカンと経験に基づいて行っています。つまり、システムが入る前とまったく一緒です。
C社の発注担当者にとって、在庫管理システムは発注画面に数字を入力して送信する発注システムでしかないというのが現在の実態なのです。在庫管理の生命線である発注が昔と同じであれば、在庫管理のレベルもシステム導入前と同じであることはいうまでもありません。
※在庫管理システムのなかで、在庫量がこの量(日数)を下回ったときに発注を勧告するように設定する量のこと。
システムの発注点と発注量の設定をしないからといって、発注担当者を責めるのは、この場合、正しくありません。担当者にしてみれば、データの支援もない状態で、担当する全商品の発注点と発注量の数量を手動でつねに正しく設定しておくことなど、およそ、できるはずもない仕事です。もしまともにやろうとすれば、その仕事には発注量の決定そのものを上回る手間がかかるでしょう。発注の準備のために発注を上回る手間をかけるなどという本末転倒のことを、実務の世界で担当者がやるはずもないのです。
発注点、発注量は日数で設定する
それではどのような設定ならば実務に使えるものになるのでしょうか。 答えは「発注点」も「発注量」も日数で設定することです。「この商品は在庫が5日分になったら10日分を発注する」というように決めるのです。
担当者が設定するのは「5日(発注点)」と「10日(発注量)」だけです。日数を個数に直す計算はシステムが自動的に行うようにします。商品ごとの最新の出荷実績から1日分の平均出荷量を計算し、これを日数にかけるという計算です。このような計算はコンピュータの得意とするところであるはずです。
発注量計算のための設定を「日数」で行うが「個数」で行うが。小さなことのようですが、ここに在庫管理システムが使えるが使えないかの大きな分かれ目があるといえるのです。

1-5 ロット生産で不動在庫が大量発生-メーカーの在庫問題
システムの内容に関わるやや細かい話が続きましたので、もう少し現場に近いところで発生している問題もみてみましょう.在庫を置いてある現場である「物流センター」に目を転じてみます。
大半のパレットは「当面出る予定のない製品」
D社は建材メーカーです。
D社の物流センターは工場に隣接しており、工場でラインアウトした製品が毎日全量入荷されます。倉庫はつねに満庫状態で、製品の載ったパレットで埋め尽くされています。 入庫係は入庫場所を空けるために、パレットに残った製品をまとめる作業や、当面出る予定のない製品のパレットを奥に入れ、出荷指示のかかりそうなパレットを手前に引き出すという入れ替え作業、並べ替え作業を毎日何時間も行っています。
実は、パレットに載っている製品の大半が、「当面出る予定のない製品」です。D社の製品は一度原料をラインに流すと10パレット分とか20パレット分はできてしまうものがほとんどです。しかし出荷のほうは、毎日1パレット以上出るというものは、ごく一部の製品に限られています。アイテム数からいえば半分以上が、月間の出荷を全部あわせても10パレットには満たない製品なのです。ラインアウトしたパレットのほとんどは、倉庫の奥で待機する期間を過ごすということになります。待機期間が何ヶ月に及ぶ製品もあります。
「ロットくずれ」がたまって大量の不動在庫に
さらにもうひとつ、やっかいな事情があります。
一部の製品ですが、色目をそろえるために、1つの注文に対しては同じ日に製造したものしか出荷できないという制約があるのです。古い日付で製造したものが残っていても、少しまとまった注文には、充分な量のある新しい日付の製品群から出荷するようにしています。途中で足りなくなってしまうことを恐れるからです。
半端な量が残った古い日付の製品群はいつまでも残ってしまい、もはや出荷される見込みはないという状態で、倉庫の奥に眠っています。これらの不動在庫も、パレット数でいえば、この製品群の半分近くを占めるのです。
平均在庫日数は15日間というが・・・・
D社の在庫日数は平均15日間です。これはすべての商品の在庫金額を、1日の平均出荷金額で割った数字です。
「建材のような製品で在庫が月に2回転していれば、在庫管理という点ではまずまずの水準であり、特に問題はない」
工場の生産管理部門はこのように認識しています。経営陣への説明もそのようになっています。 当然ながら、「在庫が月に2回転」という平均の数字は、在庫管理という観点からいえば、まったく意味のない「まやかし」の数字に過ぎません。一部の売れ筋商品が毎日生産され、毎日出荷されているために、平均値ではそこそこ回転しているように見えるだけです。

単品ごとにみれば、何十日、何ヶ月という在庫が残っている製品がほとんどです。物流センターの床を埋め尽くすパレットの大半が当面は出荷されない商品、もしくはもう出荷される見込みのない商品なのです。
在庫が多いのは物流部の管理が悪いため?
D社における在庫問題を解決するためには、製品ごとの製造ロットを見直すことは、避けてとおることはできない課題であるはずです。ロット管理が必要な商品については、古い日付のロットが残っているうちにどんどん新しいロットで生産してしまう体制にメスを入れることが必須です。
しかし現在のところは、工場は在庫の問題にさほど関心を持っておらず、責任もまったく感じていません。倉庫に在庫がたまってしまうのは物流部門の管理が悪いからだろうという程度の認識なのです。 D社では、まず単品ごとの在庫実態を日数で見えるようにすること、そして、出荷に本当に必要な在庫と工場の都合でできてしまった在庫を区分して管理しようというところから、改革ののろLを上げようとしています。
1-6 「戦略仕入れ商品」が在庫の山に--卸の在庫問題①
「需要を無視した作りすぎ」という問題は、製造ロットという大きな生産制約もつメーカーだけの問題ではありません。卸企業においても、「仕入れすぎ」という形でまったく同じ種類の問題が発生しています。
「戦略仕入れ商品」とは
E社は文具・雑貨類の卸事業者です。取扱商品はキャラクター商品から実用品まで、子供向け商品から業務用商品まで、広範囲に及びます。
E社の仕入れは、「在庫を補充する」という形態からはずれるものがかなりあります。定番的な商品はリベートを得るために量をまとめて仕入れることが多いほか、人気のあるキャラクターの商品を大量にいち早く確保したり、企画商品やシリーズ品を一括で仕入れたり、返品商品や倒産品などを破格の安値で仕入れるなど、さまざまなケースがあるためです。これらの仕入れはまとめて「戦略仕入れ」とよばれています。
本来であれば、これらの仕入れはあくまでも「通常の仕入れを補う」という位置づけのものです。メインではない仕入れだからこそ、「戦略仕入れ」と呼ばれているわけです。
ところが、物流センターの感覚はこれとはかなり食い違っています。「在庫のほとんどは戦略仕入れ商品じゃないか」というのが物流部門の実感です。そしてさらに「戦略といってもちっとも売れていないじゃないか。こんなものをなぜ仕入れるんだ」というのが、物流現場の誰もが、日ごろから大いに疑問に思っているところなのです。
仕入れるべきでなかった「戦略仕入れ」
実際のところ、定番的な商品といっても、サイズや分量によっては商品の出方はまるで違います。まとめて仕入れても長らくほこりをかぶる商品があり、このような商品はいったん出荷されても返品されてくることもあります。シリーズものの売れ残りも、出荷される当てのないまま大量に倉庫に眠っています。破格の安値で買い取られた商品は、実はまったく同じものがこの倉庫にも大量に残っていたというケースが珍しくないのです。
当然ながら、戦略仕入れは仕入れたものが売れて初めて、戦略としての意味を持ちます。売れなかった仕入れはすべて失敗であり、結果として「仕入れるべきではなかった」と評価されるものであることはいうまでもありません。

評価基準の見直しが急務
E社の経営陣にも、在庫が多い、減らさなければならないという意識はあります。しかし物流現場で皆が実感しているような問題については、本部組織には問題の本質がうまく伝わっていないのが現状です。経営陣は「在庫を減らせ、減らせ」というのみで、何をすればいいがという具体的な指示はありません。
仕入れ担当者も、戦略仕入れとの関係にまったく気つかないわけではないのですが、それでも、目先の業績が上がるリベート確保や安値仕入れの機会をみすみす見送るまでの根拠にはならないので、これまでの仕入れのやり方を変えることはありません。
E社が在庫を減らすためには、「戦略仕入れ」の結果をきちんと評価する仕組みが必要です。まとめて仕入れた商品がどれだけ残り、どのくらいの期間滞留したのか。もう売れる見込みのない商品は誰がいつ仕入れたものなのか。どのタイミングでどれだけ廃棄するべきなのか。それによる損失はいくらになるのか。これらの情報を、商品ごと、仕入れ担当者ごとに見えるようにして、管理するのです。
これらの管理は、仕入れ担当者のこれまでの仕入れを非難する目的のものでは、むろんありません。過去の仕入れはデータがなく、また、安く仕入れるほど評価されるという枠組みの中で行ったものなのですから、その状況下ではベストを尽くした判断だったはずです。
在庫を減らすためには、この評価の枠組みそのものを変える必要があります。「いかに需要にあった仕入れをしたか」という新しい評価基準のもとに再出発することが求められているのです。
1-7 補充システムの不全から物流センターが機能麻痺に--卸の在庫問題②
余剰在庫が作業の最大の「邪魔」になっているというセンターがよく見受けられます。在庫管理と物流センターの作業管理は、互いに大きな影響を与え合っています。
いつまでも軌道に乗らない新物流センター
F社は中堅の食品問屋で、5年前にスーパーやコンビニエンスストア向けの出荷を集約して新物流センターを設置しました。
センターの情報管理には無線LANとハンディターミナルを使う最新のシステムが導入されており、在庫の残高はリアルタイムで更新されます。在庫補充のためには出荷に応じて発注勧告が出され、推奨発注量が示されて、作業用のハンディ端末から即発注をかけられる仕組みも持っています。
しかし、F社の物流センターには常時商品があふれ、棚に入りきらないものが床に置かれているためにフォークリフトがスムースに走行できないような状態です。かつ、必要な商品はよく欠品を起こしており、当日の入荷を待って、入った商品を棚に入れないで即出荷に組み入れるという、通常外の作業が頻繁に行われています。物量が多くなる週末や月初には、作業が湿乱し、「出荷ができない」という機能停止の一歩手前の状態に陥る日が一度ならずあります。
システムのいうとおりに発注すると棚に入らない?
なぜこんなことが起きてしまうのでしょう。
現場の話を聞いてみると、発注の実務には発注勧告と推奨発注量はまったく使われていませんでした。実際の発注は、比較的経験の長い作業者がエリアを分担し、棚の商品の残り具合と減り具合をみながら行います。つまり、システムが入る以前と変わらない、経験とカンに頼った発注が行われているということになります。
在庫管理の生命線である発注が昔と同じであれば、いくらシステムが入っていても、在庫管理のレベルも葺と同じです。システムの推奨発注量をなぜ使わないのか、たずねてみると、「システムのいうとおりに発注すると棚に入らないから」という答えが返ってきました。
つまり、こういうことです。
システムの推奨発注量は出荷量に応じて変化します。しかし、現場の棚のほうは1棚1商品という国定的な設定のままだったのです。当然ながら、売れている商品はすぐに棚に入りきらなくなってしまいます。
アイテム数の増加に対応できない。
さらに、このセンターでは、ここ3年の問に、取り扱いアイテム数がおよそ1.5倍に増えるという変化がありました。アイテム増の原因は、おもに「これまで1つの商品だったのに、別々の管理をしなければならないものが増えた」というところにありました。つまり、「季節限定」でサイズやデザインを変えた商品や、外箱に小売店の名前が印刷された「準プライベートブランド商品」のような派生品が大幅に増えたのです。
これらの変化は物流センターの混乱を深刻に助長するものでした。類似商品を取り違えて棚に入れてしまったり、確かに入荷したはずの商品がどうしても見つからなかったり、旧商品と新商品が混在してどちらを出荷すればよいのかわからない、日付の古い商品を先に出す「先入れ先出し」が徹底せず、賞味期間の短い商品が大量に残ってしまったといったような問題が、現場では日常茶飯事として発生していました。
初期対応のまずさがシステムを「お蔵入り」にした
現場が混乱を極めていても、F社の他の部門ではことの重要性はあまり明確に認識されていませんでした。商品マスターの更新は遅れ、商品の入れ替えルールもなかなか決まらず、現場では「在庫データを更新できない、増えたアイテムに棚をどう割り振るかも決め難い、在庫がわからない」という状態が続きました。販売先への商品入れ替えの連結も徹底しないので受注も混乱し、当然ながら誤出荷によるトラブルが相次ぎました。
混乱を乗り切る過程で、現場の発注のやり方は完全に葺に戻ってしまったのでした。システムの発注支援機能は一度もまともに使われないまま、「お蔵入り」になってしまったのです。今となっては、システムに有効な計算をさせるために必要な データの補正や、パラメータ設定等についても、現場には誰もやろうとする人はいません。ただ「システムのいうとおりに発注してはいけない」という伝説だけが語り継がれて、現在に至っていたのでした。

1-8 パンフレットの在庫は800年分!?--サービス業の在庫問題
在庫問題は商品を販売しているメーカーや卸小売業だけの問題ではありません。ここではサービス業における在庫問題を見てみましょう
商品パンフレットや帳票類の物流は無駄の宝庫
在庫問題は商品を販売しているメーカーや卸小売業だけの問題ではありません。いろいろなサービスを商品とするサービス業の業態においても、商品を紹介するパンフレットや申込書・契約書等の帳票頬、販促品等々、サービスを売ることに付随して必要になるさまざまな物品の物流が存在します
これらの物品の在庫は、通常、あまり把握も管理もされていないのですが、それだけに、ちょっと調べてみると驚くべき無駄を内包しているという場合が多くあります。
金融サービス会社のG社で、本社倉庫に残っている商品パンフレット類の在庫を調べ、過去1年間の出荷量で割り算をして「在庫年数」を計算してみた結果は、笑い話のようでした。在庫年数の最高記録は「800年分」でした。それでも、年数が計算できた物品はまだましなのです。実はアイテム数で一番多かったのは「在庫年数は計算不能」という物品であり、全アイテムの3分の1を占めました。過去1年間1度も出荷がなく、割り算の分母がゼロになってしまうため、計算ができなかったのです。
過去1年間1度も営業所からの注文がなく、出荷がない物品を廃棄するとして、その損失額を印刷単価を原価として仮計算してみたところ、その金額は何億円という規模になりました。
印刷ロットは最低5万?
このような驚くべき在庫実態の発生源は印刷発注のやり方にあるわけですが、印刷発注を行う商品企画部門は、パンフレット類の在庫実態など見たことも聞いたこともないというのが実情でした。
それというのも、倉庫にあるパンフレット類のほとんどは初回発注品の残りであり、初回発注の量は在庫や過去の出荷実績にはまったく関係なく、「5万」「10万」というように大雑把に決められているからです。在庫がなくなったものは追加で印刷することになり、このときにははじめて「あとどのくらい必要だろうか」と考えることになります。しかし実際のところ、印刷を追加発注するケースはかなり限られていたのです。
初回印刷のロットが5万とか10万というのは過去の慣習に基づくもので、これまでは誰も疑問に思う人はいなかったのです。しかし、改めて調べてみると、年間で1万部以上出る帳票はほとんどないというのが実態であり、あきらかにつくりすぎであることがわかりました。ロットを落とすと印刷単価が大きく上がってしまうのではないかという懸念も出されましたが、実際に調べてみると、1万部に落としても単価の上昇はほとんど問題にならない範囲であることがわかりました。
営業所在庫にも大いなる無駄が
これらの調査結果をふまえて、G社は印刷発注の見直しを行いました。
しかしG社の在庫問題を考えるうえで、本来、もっとも重要なのは本社倉庫よりも各営業所の在庫管理であるといえます。営業の最前線である営業所でパンフレットや帳票類が欠品することは、G社の顧客サービスレベルの低下に直結する大問題であり、絶対に回避したい事態です。
また、スペースの限られている営業所に、使う見込みのないパンフレット類が大量に余って場所をふさいでいるという事態も望ましくないことです。スペース効率の低下はむろんのこと、業務効率の低下をももたらしかねません。そもそも各営業所がどのようにパンフレット類を保管し、どうやって本社倉庫に発注をかけてきているのか、これまで調べたこともなく、完全に営業所任せだったのです。
G社の在庫管理改善の取り組みは本社倉庫から営業所へ、さらには各代理店へと、顧客に近づいていく方向で発展しています。取り組み内容はもはや倉庫や印刷の改善ではなく、G社のサービスレベルの改善、業務効率の改善という、より本質的な領域にまで及んでいます。

基本原理に立ち帰った在庫管理の再構築が求められている
この章ではいろいろな企業の在庫問題をみてきました。
すべての問題は、在庫管理が「市場の需要に同期化させる」という基本原理から外れていることに端を発しています。市場の動向をつかむ在庫管理システムを持っていない企業はむろんのこと、すでにシステムを構築している企業にも、いま一度基本原理に立ち帰って、需要に応じた的確な在庫補充を指示する「在庫補充」の仕組みを核とした在庫管理体制を再構築することが求められているといえます。
在庫は罪子?
在庫についての認識は、昔と今とではずいぶん変わってきています。昔といっても、それがいつ頃かを特定することは難しいですが、要するに、在庫が資産としての価値を失い始めた頃から変わり始めてきたということができます。
在庫は、直訳すれば「庫に在るもの」です。庫は蔵と同義です。蔵を持っていることは、かつては資産家の象徴でした。蔵を必要とするほど保管するものがあるということです。 ただ、蔵が資産家の象徴であるためには、一つの条件が必要となります。それは、「蔵の中に在るもの」が価値を持っているということです。価値を持つとは、端的にいえば、いつでも現金に換えることができるということを意味します。
この条件は、もちろん、企業でも同じです。企業における在庫は、主として製品や商品ですが、それが資産として価値を持つためには、それを持っていれば、将来現金に換えることができるという確証があることが必要です。将来、換金できるかどうかに不安があれば、それに価値は認められません。それが売れ残ってしまえば、価値がゼロになってしまうからです。
ここで考えていただきたいのは、将来売れる見込みがないことが明らかな在庫があったとしたら、それを保管し続けますかということです。普通に考えれば、売れる見込みがない在庫など保管するだけ無駄だと思うはずです。将来価値を発揮すると思うから、大事に保管しておくのであって、将来何も価値がないと思えば、誰も大事に保管などしません。 いま、企業において在庫が問題にされるのは、在庫品の価値が失われる危険が大きいからです。消費者の嗜好の変化が激しく、商品のライフサイクルが短くなるなかで、在庫として残ったものは、もう売れないという認識があるからです。
ところが、それでも、多くの企業が在庫を保有し続けているというのが現実です。なぜなら、すべての在庫について「売れる見込みがない」とは判断できないからです。ただ、少なからぬ企業が、在庫は持っていても売れるという保証はまったくないという認識を強めています。
そのようなことを強く認識している会社では、在庫を「罪子」と読み替えたりしています。また、在庫は会計処理上「棚卸資産」と呼びますが、これに「棚卸死産」という字をあてる会社もあります。いずれも、けしていい語感ではありませんが、最近の在庫についての認識をこれほど端的に示す言葉もないでしょう。
いまや在庫は、持っていても何もいいことはないという位置づけが当たり前になってきています。これが、在庫管理の出発点です。
在庫を常識的に定義すれば「将来の販売のために持っている商品」ということになるのでしょうが、いまの在庫認識からいえば、ここに「必要最小限の」という条件をつけることが必要でしょう。
でも、このような在庫の定義ではおもしろくありません。
米国のある経営者が、在庫を「あらゆるマネジメントの失敗の産物」と定義しました。いかがでしょうか。的を射た定義だとは思いませんか。生産や仕入、販売などあらゆるマネジメントの失敗が在庫という形であらわれているというのは言い得て妙だと思います。これからの在庫管理においてはこの定義が妥当といえるかもしれません。
目次
第1章 いま、在庫管理は
1-1 在庫管理の何がうまくいかないのか
在庫管理の状態が一目でわかる「在庫散布図」/在庫が管理されているか、いないか/在庫管理の使命は需要に合わせて補充すること
1-2 情報不在が在庫の過不足を生む
在庫の情報がとれない状態/情報がなければ需要にあった発注はできない/「在庫管理以前の状態」から脱却へ
1-3 「在庫データ」はあっても「在庫情報」はないという状態もある
「在庫データ」と「在庫情報」は違う/在庫は「日数」でとらえる/管理に使える在庫情報を提供する発注管理システムの構築へ
1-4 発注支援の設定が在庫管理システムの生命線となる
誰も設定していない「発注点」「発注量」/発注点の個数設定は発注よりも大変な仕事/発注点、発注量は日数で設定する
1-5 ロット生産で不動在庫が大量発生-メーカーの在庫問題
大半のパレットは「当面出る予定のない製品」/「ロットくずれ」がたまって大量の不動在庫に/平均在庫日数は15日間というが……/在庫が多いのは物流部の管理が悪いため?
1-6 「戦略仕入れ商品」が在庫の山に-卸の在庫問題①
「戦略仕入れ商品」とは/仕入れるべきでなかった「戦略仕入れ」/評価基準の見直しが急務
1-7 補充システムの不全から物流センターが機能麻痔に-卸の在庫問題②
いつまでも軌道に乗らない新物流センター/システムのいうとおりに発注すると棚に入らない?/アイテム数の増加に対応できない/初期対応のまずさがシステムを「お蔵入り」にした
1・8 パンフレット在庫は800年分!?-サービス業の在庫問題
商品パンフレットや帳票類の物流は無駄の宝庫/印刷ロットは最低5万?/営業所在庫にも大いなる無駄が/基本原理に立ち帰った在庫管理の再構築が求められている
コラム 在庫は罪子
第2章 そもそも在庫管理とは何か
2-1 在庫管理は何のためにするのか
在庫の保全管理から在庫量の管理へ/在庫管理関係者には在庫削減動機はない/在庫を市場の需要動向にあわせる
2-2 在庫管理でやるべき2つのこと
在庫削減に立ちはだかる「制約条件」/在庫削減とは制約条件を排除すること/在庫の最低水準を維持する取り組み
2-3 在庫管理と在庫削減の関係
期未の在庫削減はすぐにリバウンドする/売れる商品の在庫を減らすのは苦肉の策/在庫削減の繰り返しは在庫管理不在の証拠
2-4 市場の需要にあった在庫の持ち方とは
売上に沿って在庫を持つ
2-5 生産制約と在庫管理の関係は
「市場の需要にあわせること」を阻害する関係者の諸事情/生産効率を追求する生産の事情/生産効率の前に生産効果あり/市場にあわせやすい機動的な生産方式が選択されている
2-6 販売戦略と在庫管理の関係
売上を「つくりだす」戦略が在庫を生む/小売店「が」いくら売ったかで評価する
2-7 在庫補充の基本は日数管理
日数に直すことで最新の需要動向を織り込む/出荷の増減を愚直に追いかけるシステム/需要動向を愚直に追えば在庫は設定した日数に収れんする
2-8 市場の動向は出荷実績からつかむ
1日あたり平均出荷量で需要をつかむ/1日あたり平均出荷量で需要をっかむ/販売計画は市場の動向とは無関係の数字
コラム「在庫管理」の解釈をめぐって
第3章 伝統的な「在庫管理」とその検証
3-1 いわゆる「4つの発注法」について
4つの発注法とは/推奨されるのは「不定量」発注法/定量発注法の特徴/「不定期不定量発注法」がベスト
3-2 EOQと在庫管理
EOQの成り立ち/EOQの計算方法/EOQは在庫管理に使えるのか?/EOQを在庫管理に適用してみよう
3-3 不定期定量発注は限界を知って使う
2ビン法・二棚法/2ビン法の致命的な欠点/欠品や過剰に気づきにくい不定期定量発注法
3-4 変化への対応力がもっとも強い不定期不定量発注法
「必要なものを必要なときに必要なだけ」発注する
3-5 発注時期に制約がある場合には定期不定量発注法
広く普及する「定期不定量発注法」に潜む問題点/不定期発注方式への切り替えと汀化
3-6 ABC分析と在庫管理の関係
ABC分析が登場した背景/ABC分析の限界/在庫管理のルール化とコンピュータの活用
コラム 在庫を持たざるを得ない制約条件って何?
第4章 在庫管理の基本的手法
4-1 現在の出荷状況をつかむ
明日、出荷するために必要な量を知る/日数で換算する/需要の変動にはどう対応するか
4-2 現状の在庫量を評価する
出荷対応日数を求める/日数でとらえるメリット
4-3 補充の基本的な仕組み-いつ発注するか
「今いくつあるか」日数で把握する/「いつ発注するか」日数で把握する/毎日「発注点チェック」を行う
4-4 補充の基本的な仕組み-いくつ発注するか
在庫日数は各社で決める/「1週間分の在庫を持つ」ことと定期不定量発注法は似て非なるもの
4-5 在庫の基本的な動きをみてみよう
基本的な動きのとらえかた
4-6 需要の増減にはどう対応するか
需要が少ないとき/需要が増えたとき
4-7 リードタイム日数の把握が在庫管理を一変させる
リードタイム日数はどう考えるか/リードタイム日数を管理しているか
4-8 必要な発注量を計算してみよう
簡単な在庫管理の計算問題
4-9 「安全在庫」をめぐる考え方
「安全在庫」を持っている会社は少ない/「安全在庫」とはなにか
4-10 安全在庫はリードタイム期間に対応するだけでよい
欠品が発生する期間とは?/リードタイムが安全在庫の大きさを決める
コラム 在庫を探すことは立派な仕事?
第5章 補充量決定のメカニズムと管理体制
5-1 シンプルな計算モデルを構築する
出荷対応日数を出す/発注量の計算
5-2 安全在庫をイメージしてみよう
出荷が正規分布しているケース/安全在庫はいくつ持つべきか
5-3 安全在庫を計算で求める
正規分布していることが前提/サービス率を決定する/安全在庫を計算する/標準偏差によって“富士山の形を推測する/標準偏差を求めるためのデータは多いほうがよいか
5-4 安全在庫の計算要素を詳細にみる
便利に使える標準偏差/サービス率をどう考えるか/サービス率と安全係数/なぜ日数を√倍するのか
5-5 サービス率はコストを考えて設定する
サービス率の違いによる必要量の差を知っておこう/安全在庫の管理は「手間がかからない」ことが重要
5-6 不定期不定量発注法の検証①
不定期不定量発注法の限界/直近の変化には算定対象日数を短くして対応
5-7 不定期不定量発注法の検証②
3パターンの波動に対応できるか/需要がばらついているアイテムへの対応
5-8 定期不定量発注法の検証
定期不定量発注法によるシミュレーション
5-9 在庫管理の対象からはずすもの
特売品は在庫管理の対象ではない/「新商品」は在庫管理の対象ではない/在庫管理の体制を整える
5-10 在庫管理の体制を整える-メーカーにおけるポイント
在庫管理責任者を置く/在庫管理の基本的な流れ/「生産の都合による在庫」を切り分ける/工場倉庫と物流拠点の役割分担をはっきりさせる
5-11 在庫管理の体制を整える-流通業者におけるポイント
在庫管理の巧拙が経営状況に直結する/在庫管理の切り分けが重要/物流は条件に合わせて個別対応する
コラム 誰が在庫に責任を負いますか?
第6章 在庫管理導入の実務
6-1 発注どおりには補充されない在庫をどう管理する?
工場の都合で発注どおりに補充されないメーカーの物流センター/物流センターで必要ない製品は工場倉庫に残す/「本来の」物流センター在庫と工場倉庫在庫の区分けが必要
6-2 「ダブルトランザクション」で物流センターの在庫を区分する
ダブルトランザクションとはなにか/「本来の物流センター在庫」をピッキングエリアに置く/ピッキングエリアの集積で作業効率も上がる/ダブルトランザクション導入の留意点
6-3 営業責任の在庫も別管理する
返品、キャンセル、見込み違いは営業責任の在庫/出荷を狂わせることが一番の大罪
6-4 メーカーの全社在庫削減へ向けた取り組み
メーカーは「必要な分だけ」つくれない場合もある/全社在庫削減への具体策
6-5 仕入れ晶の在庫も「色分け」をする
在庫管理の導入で卸の仕入れの見直しも可能に/戦略調達を評価する
6-6 在庫管理の導入で発注担当者の仕事はこう変わる
システムの推奨どおりに発注できる体制を整える/リードタイムを管理する
6-7 在庫管理の導入で営業担当者の仕事はこう変わる
大口販売情報を速やかに発注担当者に伝える/「予約在庫」を確実に消化する
コラム 在庫管理と物流管理との関係は?
第7章 これからの在庫戦略
7-1 ロジスティクスが在庫を減らす
在庫管理の対象範囲
7-2 在庫削減こそが「これからの在庫戦略」の基礎
在庫管理と在庫削減との関係/在庫削減のいったいどこが「戦略」なのか?/これまでの在庫削減への取り組み
7-3 在庫削減の進め方
ロジスティクス志向の台頭/販売計画をベースにつくった生産計画は使えない
7-4 「ロジスティクス」とはなにか
ロジスティクスの考え方/ロジスティクスは補充の連鎖
7-5 ロジスティクスからSCMへの展開
ロジスティクスで在庫を3割減らしたケース/ロジスティクスの限界とサプライチェーン
7-6 サプライチェーン・マネジメントの概念
サプライチェーン・マネジメント登場の背景/ロジスティクスとSCMの遣い/SCMの主体は誰か
7-7 情報発信源と供給活動の連動
卸売業者の出荷情報が使えない!?/ポイントは「情報」と「供給活動」の連動にあり/サプライチェーン・マネジメントの核となる「在庫管理」
7-8 企業間関係における問題の所在
これまでのサプライチェーンの実態/ブルウイップ効果
7-9 サプライチェーン・マネジメントの実際
サプライチェーン・マネジメントに期待する効果/在庫管理力とサプライチェーン/SCM導入のねらいはキャッシュフローの改善
7-10 サプライチェーン・マネジメントの取り組み事例
(1)情報共有へ向けた取り組み/(2)情報共有と供給活動を一体化した取り組み/(3)小売POSデータの情報共有への取り組み/(4)メーカー・小売連携による取り組み/(5)卸売業者主導の取り組み/(6)調達における取り組み
7-11 事例にみるサプライチェーン・マネジメントの特徴
サプライチェーン・マネジメント導入が困難なワケ/サプライチェーン・マネジメントと日本的商慣行/サプライチェーン・マネジメントに乗り出す企業
7-12 サプライチェーン・マネジメントが物流に与える影響
物流サービスが与える影響/サプライチェーン・マネジメントで物流サービスがなくなる/物流のアウトソーシングが進むという指摘は誤り
7-13 サプライチェーン・マネジメントを支える在庫管理
SCMを支える在庫管理①-単品別の情報管理/SCMを支える在庫管理②-店頭在庫の正確な把握
コラム 在庫管理が企業を強くする